赤穂民報

《浄水施設担当課長汚職》加担の業者が心境告白(3月20日)

 架空発注による詐欺罪で追起訴された元市課長と共謀したとされる水道工事業者の社長(不起訴処分)が赤穂民報の取材に応じ、犯行に加担した経緯や現在の心境を告白した。
 * * *
 ――犯行に関わったのは事実か
 「(元課長から)『ちょっとお金を貸してくれへんやろか』と言われたのが始まりでした。『浄水場で急きょの修繕があって、予算を取ってないから業者に支払いができへん、貸してくれへんやろか』と。それで、貸したんですけど、その貸した金の返し方が、(元課長の)指示で『こういう請求書を作ってくれ』と。それを持っていったら後日、役所から振り込みがあった」

 ――それはいつごろのことか
 「帳簿を警察に押収されてるんで、はっきり分からないけど2年前くらい」

 ――他にもそういうことがあったのか
 「金を貸したのは6回くらい。トータルで100万くらいになったと思う」

 ――金を借りる理由としては、予算を取っていない修繕でお金がいる、というものか
 「全部そうだった」

 ――予算を取っていないなんて不自然では
 「今思えばそうなんですけど、そのときは公務員の立場や地位がある人が言うんやから嘘や間違いはないと信用してました。まったく疑ってなかった。それと、役所から無理を頼まれるのは会社が信用されていることやという思いもあった」

 ――仲がよかったのか
 「ご飯食べに行ったこともないし、電話番号の交換もしたこともないし、会うたら話するぐらい。最初、なんで僕に電話してきたんか分からへんかった。多分誰かから僕の携帯聞いて、かけてこられたんやと思うんですけど」

 ――金を貸すときは手渡しか
 「うちの事務所に取りに来るんです。いつも昼間に電話がかかってきて、『なんぼなんぼいるんやけど』と金額を言ってくる。手元にあるお金でいけたら財布から出して、大きいお金やったら銀行に降ろしに行った。役所の車で、すぐに取りに来てました」

 ――その後、どのような指示があったのか
 「(元課長が)自分でパソコンで作ったのを持ってきて、その通りに(見積書や請求書を)作った。(元課長が)書いた工事名があって、そこに会社印を押した」

 ――最後に金を貸したのは
 「2019年の夏ごろに60万円。これが一番大きい額」

 ――それ以降は頼まれていない?
 「もう一回言われた。けど、ちょうど前の事件(2019年9月から10月にかけて市係長2人が収賄容疑で逮捕された事件)があった直後で、『もうこらえて』いうて断った。あと、去年の春ごろに水道関係の施設の仕事をさせてもらったときに、追加工事出してなんぼかでも返済したいんやいうて言われたんですけど、そんなことせずに普通にお金を返してくださいいうて断った。なんで、まだ返してもらってないです」

 ――最初から断っておけばよかった
 「自分としては、市に貸したお金を返してもらっただけというつもりやったけど、今思えば、絶対したらあかんことで、どんな理由があろうと断るべきだったと思います。市民のみなさんに申し訳ない。どのように手続きしたらええんか分かりませんけど、うちに振り込まれたお金は市に返金しないといけないと思っています」

(架空発注による公金不正支出の構図)

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