赤穂民報
地元産フルーツで「赤穂スイーツ」PR(4月3日)
赤穂産イチゴと柑橘を活用して市内の生産者と飲食店が協同で取り組んだ商品開発の成果発表がこのほどあり、ケーキやジェラート、飲み物など多彩な25品がお披露目された。メニューの総称を「赤穂フルーツ」とネーミング。「美味しいフルーツ&スイーツの街」としてPRしていく。
市によれば、少雨で日照時間の長い赤穂は元々フルーツの栽培に適した土地柄で、糖度が高く味の濃い果物が収穫できるという。また、市が2018年度に実施した消費者意識調査では「赤穂みかん」に対する若い女性層の興味度が高い結果を示し、「フルーツを活用した新商品が観光客誘致につながる可能性がある」(観光課)という。
そこで市は昨年10月からミカンとイチゴでご当地グルメの開発を目的とした全5回のワークショップを開催。市内のパティシエやカフェ経営者らが参加した。栽培農家から地元産フルーツの特長を聞き、新商品のアイデアをディスカッション。特産品を活用した商品開発や観光振興に詳しい観光情報誌『じゃらん』のスタッフのサポートを受け、8店舗がメニュー開発を達成した。
中広東沖のジェラートショップ「TETE(テテ)」はハート型がかわいいスティックタイプのジェラート(いちご、いちごミルク、みかんの3種で各250円)を新発売。坂越の菓子店「坂利太(さりーた)」は煮詰めたフルーツ入りのマシュマロをパイ生地で包んだ「アンジェラ」(いちご、みかん、ゆずの3種で486円〜)、地元主婦らが週2日オープンする「周世ふれあい市場」は甘さ控えめの手作りジャムをたっぷり詰めた「ジャムパン」(129円)を作った。
生産者が直営する新田の「浮田みかん園MaMaRe工房」はスライスした果実を乾燥させておいしさを凝縮した「みかんドライフルーツ」(袋入450円など)、上仮屋南の「Moat Cafe(モート・カフェ)」は「いちごとフルーツの贅沢パンケーキ」(1580円)、加里屋(プラット赤穂2階)の「赤穂精華園honoka」は「赤穂みかんドーナツ」(150円)、御崎のイタリアンレストラン「さくらぐみ」は果汁にシナモンなどを加えた飲み物「あコーラ」(800円)を開発した。
果肉を混ぜ込んだ「完熟バター」(いちご、みかん各540円)を新発売した塩屋の「かみや製菓本舗」のオーナーシェフ、上谷昌吾さん(54)は「パンにつけると風味が香る。香りとともに赤穂のことを思い出してもらえる土産物になれば」と思いを語った。素材を提供したイチゴ農家「まるおファーム」の丸尾友明さん(41)は「それぞれのみなさんがすばらしいメニューを作ってくれた」とうれしそうに話した。
市は新メニューの紹介パンフレット『赤穂スイーツBOOK』(A4判12ページ)を1万部制作。観光協会、宿泊施設、山陽道サービスエリアなどで配布する。今後も新たに商品開発に取り組む店舗の追加募集を検討しているほか、「ゆくゆくはブドウや桃などにも広げ、フルーツを活かした観光商工振興を展開していきたい」と構想している。
(「赤穂スイーツ」として自慢の新商品をお披露目した店舗と生産者のみなさん)
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