赤穂民報
【読者の声】なぜ個別接種ないの?(5月29日)
65歳以上の高齢者への新型コロナワクチン接種について、国は7月末までに完了するように市町村に要請しているようですが、赤穂市の計画だと無理なのではないでしょうか。
他の自治体では、かかりつけ医での個別接種も取り入れていますが、どうして赤穂市ではできないのでしょうか。(50代男性)
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国が今月3日時点で示したスケジュールでは、65歳以上の高齢者が全員2回接種できるだけのワクチンの各自治体への供給を6月末までに「完了する見込み」としている。一方、赤穂市が現時点で設定している予約枠から算出すると、7月末までに2回接種できる人数は「6654人」で、赤穂市の65歳以上人口(1万5910人)の42%にとどまっている。仮に、対象人口の2割が接種を希望しないとしても、8割が接種を完了するためには7月末までに現状の倍近い予約枠を設ける必要があり、極めてハードルは高い。
新型コロナワクチン接種計画をめぐっては、今年1月に東京都練馬区が「早くて近くて安心」をコンセプトに、診療所での個別接種をメインに集団接種会場でカバーする方式を考案。「練馬区モデル」として厚生労働省が全国の自治体に先行事例として通知した。赤穂市でも計画検討の初期段階では、個別接種や各地区公民館を会場とする巡回接種なども選択肢に上がっていたというが、「ファイザー製ワクチンの保管や輸送の取り扱いが難しい」との理由で見送り、集団接種方式のみで進めることを選んだという。
ただし、ファイザーは今月19日、ワクチン解凍後に冷蔵庫で保存できる期間を「5日間」から「1か月」に変更すると発表。市は「ワクチンの取り扱いについて条件が変われば、それに応じた計画も可能になる」(新型コロナウイルスワクチン接種対策室)とし、「28日から再開の予約状況を踏まえて、今後の対応を検討していく」としている。
赤穂市医師会の中村隆彦会長は「個別接種の要請があれば前向きに協力すると以前から市に伝えている」と話している。
国は25日、一定回数以上の接種を行った医療機関への交付金、時間外・休日の接種費用加算といった財政支援策を発表。個別接種の促進により目標達成へ推し進める考えだ。
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赤穂民報より
たつの市では30か所ある個別接種の医療機関に週2回ずつ必要数を輸送することで冷蔵期間の問題をクリア。不測の事態なく安全かつ確実に輸送するために、ワクチン箱を持った職員がタクシーで医療機関を巡回する方式をとります。そこに集団接種を組み合わせ、8月上旬までに65歳以上人口の約8割が2回接種を終える状況です。さらに接種機会の拡充を検討中といい、7月末の接種完了が見えてきています。
同市の担当者は取材に「初めてのことで、ワクチンが国からちゃんと届くのか不透明だったこともあり、どのように進めていくか本当に難しいが、ワクチンを接種したいという市民のために、少しでも早く、なるべく混乱なく、接種機会を提供することを優先した」と語りました。
赤穂市でも個別接種ができない理由はもはやありません。ワクチン接種は今後も続きますから、よりよい方式へと進化させてほしいと思います。
一方、ワクチンはあくまでも本人の意思で接種を受けるもので、接種を望まない人に強制することは許されません。接種しない人に対するいじめや嫌がらせなどがないようにしなければなりません。また、副反応に関する情報も迅速かつ積極的に公表すべきです。
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