赤穂民報

千種川の水濁 流出元はメガソーラー工事現場(6月25日)

 千種川で24日以降、河川が広範囲に茶色く濁った現象で、上郡町内で建設中の大規模太陽光発電施設「播州メガソーラープロジェクト」の工事現場から流出した濁水が原因とわかった。
 事業者の「パシフィコ・エナジー」(東京都港区)によると、今月23日午後2時ごろから降った「命にかかわるほど」の局所的な豪雨で事業敷地内の水路が損壊。雨水を一時的に貯留するための沈砂池に一気に排水が集中し、土砂を含んだ水があふれたという。流出した量については、「まずは避難を優先したので、現時点ではわからない」という。
 同社は「雨水対策はとっていたが、想定を上回る雨量に見舞われた」と弁解。濁水が環境に与える影響については、「現時点ではわからない。真摯に対応していく」と答えた。すでに復旧工事を開始したといい、「この度はご迷惑をおかけして申し訳ない。二度と濁水を出すことのないよう、行政の指導を受けながら対策をしっかり進めていきたい」とコメントした。
 工事現場は2019年3月までゴルフ場だった跡地などで全体の面積は約82ヘクタール。関西電力とENEOSが共同参画して昨年12月に「シャープエネルギーソリューション」の施工で着工し、2023年1月に発電規模77メガワットで運転を開始する計画となっている。
 県光都土木事務所管理課によると、県総合治水条例の開発行為に該当し、「30年に1度の大雨」に対応するための調整池を事業者が整備中。同課は「昨今の気象を考えれば、想定外を想定した準備も必要といえる。大型土のうを設置するなどの対策を指導したい」と話した。
 千種川が水濁した原因について、同課は24日午後の赤穂民報の取材に、「有年橋下流の右岸側から土砂が流出した」と断定していたが、住民の間では「川の水位は低かった。あの程度の水位で水が濁るのは不自然」と指摘する声が上がっていた。同課は25日、「24日夕方に事業者から報告があり、工事現場から流出したものとわかった。短時間で降った雨が原因だったため、流出元を追い切れていなかった」と情報を訂正した。

(パシフィコ・エナジーの企業サイトに掲出されている「播州メガソーラープロジェクト」のイメージ図)

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