赤穂民報

関福大リレーコラム・歯と歯ぐきの健康で感染症重症化予防を(7月31日)

 「からだの健康は歯と歯ぐきから」という言葉を聞いたことがありますか。これは8020運動のキャッチコピーです。今回は、なぜ歯と歯ぐきの健康を保つ必要があるのかご紹介します。
 8020運動とは、80歳になっても自分の歯を20本以上残すという運動です。しかし、厚生労働省が2016年に発表した歯科疾患実態調査では、75歳以上の平均残歯数は、15・7本とされています。歯を失う原因は、歯周病によるものが大半です。
 歯周病は、歯肉にジンジバリス菌などが住み着き増殖し、歯肉の炎症が進むことで起こります。そのため、歯肉炎を防ぐことが重要になります。歯肉炎は、痛みがなく気づきにくいので、毎日歯肉の状態をセルフチェックすることをお勧めします。鏡を使って歯肉の色や形、歯との段差がないかなどチェックしてみてください。
 歯は、新型コロナウイルス感染症とも深い関係があることが分かってきています。新型コロナウイルスは、唾液腺・舌・歯肉の細胞に感染し、体内で増殖を行い、ウイルス性肺炎を起こします。その時、歯周病菌などが口腔内に存在していると、コロナウイルスによる炎症が起こった後に細菌性の炎症が起こり、肺炎が重症化するといわれています。重症化を防ぐためにも、口腔内の清潔を保つことが重要となります。
 口腔内の清潔を保つには、正しい歯磨きや歯間ブラシを用いた歯間清掃、舌掃除が有効です。正しい歯磨きをするためには、歯ブラシは力を入れず軽く持ち、小刻みに動かすこと、歯ブラシの毛先が広がっていたら交換することがポイントとなります。また、就寝中の細菌増殖を防ぐためにも、就寝前の歯磨きや歯間清掃はとても重要です。
 いつまでも健康であるために、口腔内の清潔を保ち、感染症の重症化予防につなげていきましょう。(教育学部保健教育学科助教・岡井千沙子)
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 次回は加藤明学長のコラムです。お楽しみに。

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