赤穂民報

「多様性受け入れた」元青年海外協力隊員が講演(8月9日)

 赤穂市国際交流協会主催の国際理解講座「私の国際協力活動と異文化体験」が8日、中広の市立図書館であり、JICA(独立行政法人国際協力機構)の青年海外協力隊員としてモンゴルで活動した城西町の作業療法士、奥田美咲さん(32)らが体験談を語った。

 奥田さんは2018年10月から2年間の任期でモンゴルに派遣。新型コロナ感染拡大の影響で20年3月に緊急帰国するまでの間、首都ウランバートルの国立病院で新人作業療法士の指導、教育に従事した。派遣中は現地から赤穂民報に活動レポートを寄稿した。

 講演では、モンゴルの気候や文化・風習などのほか、すべての国家公務員が給与の一日分を東日本大震災の義援金に寄付したエピソードで親日国であることを紹介した。当初はなかなか約束を守ってくれない国民性に「計画通りに進まない」と悩みながらも、「相手の価値観を考えながら、ゆとりをもって取り組めるようになった。いい意味で『いい加減』になれた」と多様性を受け入れた心境の変化を明かし、「努力して継続し続ければ、自然と協力してくれる人も現れることを知った」と語った。

 インドネシアやエチオピアなど3か国で計11年間の海外活動のあるJICA関西市民参加協力課長の木村卓三郎氏、中東・シリアで繊維輸出支援に関わった元シニア海外ボランティアの長嶋正明氏も自身の経験を講演。約30人が聴講した。

(モンゴルでの活動について体験を語る奥田美咲さん)

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