赤穂民報

「黄谷の土」で雲火焼 生誕200年展へ制作進む(9月11日)

 自ら創出した「雲火焼」を弟子に伝授することなくこの世を去った陶工、大嶋黄谷(おおしま・こうこく、1821―1904)の子孫宅に残された貴重な陶土で作品を復元する取り組みが御崎の赤穂瀬戸内窯で行われている。

 現存する黄谷作品を基に杓立、香炉、灰器などを制作し、来月に桃井ミュージアムで開幕する「大嶋黄谷 生誕200年記念展」(10月13日〜来年3月14日)に出品する。

 陶土は約50年前に黄谷の子孫宅を解体した際に屋根瓦の下から見つかり、黄谷の玄孫にあたる大嶋靖彦さん(76)=加里屋=が「門外不出」の言い伝えを守って保管。生誕200年を迎えるのを機に、長年雲火焼の再興に取り組んできた赤穂瀬戸内窯の桃井香子さん(78)=御崎、桃井ミュージアムオーナー=と長棟州彦さん(73)=塩屋=に提供した。

 軽トラック1台分あった陶土から約80キログラムの粘土を抽出。桃井さんらによると、「きめが細かく、粘り気がある」という。7月に実施した試験焼成では、夕焼け空を想起させる橙や黒、乳白色といった雲火焼特有の窯変が出現。「まさに雲火焼の土」(長棟さん)と確信したという。

 今月中旬から会期中にかけて複数回にわけて計約50点を製作し、記念展で順次披露していく予定だ。

(大嶋黄谷の子孫宅に残った陶土で雲火焼の復元に取り組んでいるみなさん)

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