赤穂民報

野良猫繁殖、多頭飼育崩壊…1か月で100匹超確認(9月15日)

 飼い主のいない野良猫を捕獲して不妊手術を施して元の場所に戻す「TNR活動」が11日、赤穂市内であり、オスとメス計6匹を手術。手術済みの目印に片耳をV字にカットした「さくらねこ」として地域に帰った。

 2年ほど前から自宅周辺で猫が増えつつあることを懸念していた50代男性がボランティアグループ「赤穂の野良猫を地域猫にする会」に相談。男性が手術代を負担し、同会が捕獲と動物病院への仲介を支援した。

 男性によると、元々は近所で放し飼いにされている一団からはぐれたメス猫が自宅の周りに居着いたのが始まり。かわいそうに思った家族が餌を与えるうちに出産を繰り返し、この夏にも新たに3匹が生まれた。「このままでは大変なことになりかねない」と思っていたところ、赤穂民報の記事で同会の活動を知り、サポートを求めた。

 同会が貸し出したケージ6箱に捕獲した猫を1匹ずつ収容し、かねてより地域猫活動に協力的な尾崎の「郷司動物病院」へ運んで手術。再び捕獲しなくても済むように抜糸不要の溶ける糸で縫合した。一晩経過観察して異常がないことを確かめて翌朝にケージを開けると、元気に中から飛び出した。男性は自宅近くの休耕地に盛り砂して猫用のトイレ場を整備。「できるだけ近所に迷惑のかからないように」世話していくつもりだという。

 備前市では行政がクラウドファンディングを活用して不妊去勢手術費用を助成する制度を設けており、同会は15日、赤穂市でも同様の制度を創設してほしいと市に要望書を提出した。

 土居裕二代表によると8月に会を発足して以降、野良猫の繁殖や多頭飼育崩壊についての相談が複数寄せられ、すでに合計で100匹を超えたという。「善意の市民が自腹で手術費を負担するのはすでに不可能。一日も早く助成制度ができるよう、『検討』ではなく『実行』してほしい」と訴えている。

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 4段落目の「ゲージ」は、正しくは「ケージ」でした。言葉を誤用していましたので、訂正しました。(2021年9月18日10時45分)

(野良猫の不妊去勢手術費助成制度の創設を求めて要望書を提出する土居裕二代表)

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