赤穂民報

関福大リレーコラム・スクリーンタイムを上手にコントロールしよう(11月12日)

 座っている状態やもたれかかっている、横になっているなどエネルギー消費量が極めて低い状態を座位行動と言います。ウィズ・コロナの時代となった今、この座位行動の時間がこれまで以上に長くなっている方も多くいるのではないでしょうか。

 今回は、特に子供における座位行動とスクリーンタイム(テレビやスマホ・タブレットなどの画面を眺めている時間)について取り上げます。

 スポーツ庁(2019)は令和元年度の「体力・運動能力、生活習慣等調査」において、子供たちのスクリーンタイムが平成30年度に比べて増加しており、特に、小・中学生の男子が長時間化していることを報告しています。

 さらに、笹川スポーツ財団(2019)は、余暇時間が長い休日は平日よりスマホやテレビなどのメディア利用時間が長くなることを報告しています。こういった現状は日本国内だけで起こっているかというと、そうではありません。近年の子供・青少年のスクリーンタイム時間の増加は、国際的に問題視されています。

 WHO(2020)は子供・青少年(5―17歳)の座りすぎについて、肥満の増加や心血管代謝の悪化、体力の低下といった身体的な健康面だけでなく、向社会的な行動の低下や睡眠時間の減少といった悪影響を及ぼすことを示しています。こういったこともあり、「座りっぱなしの時間、特に余暇時間におけるスクリーンタイムを減らす必要がある」としています。

 一方、メディアが提供する様々なコンテンツは多くの人に興味関心がもってもらえるように多くの工夫がなされているため、子供が魅了されるのも無理はありません。

 しかし、だからこそ大人は子供の環境を整えていく役割があるといえるでしょう。面白いものが溢れているからこそ、効果的に活用できる場面を考えてみる必要があります。屋内で過ごす時間が増すこの時期、適切な頻度・時間での利用ができるように、ご家庭で話し合ってみてはいかがでしょうか。(教育学部保健教育学科講師・川勝佐希)

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