赤穂民報
歩いて見つけた希少植物冊子に(1月29日)
「ひょうご森のインストラクター」の松村完治さん(75)=清水町=が、地元周辺に生息する希少な野生植物をまとめた冊子『千種川流域の貴重な植物』(A4判16ページ)をこのほど刊行した。
『兵庫県版レッドデータブック2020(植物・植物群落)』に掲載された絶滅危惧種のうち、昨年中に松村さんが千種川流域で実際に確認したミノコバイモ、ヒメニラ、マヤランなど28種の植物を写真付きで紹介。中にはレッドデータブックに記載のない分布地も含まれる。
松村さんによると、千種川流域は絶滅危惧植物が比較的多く生息しているという。しかし、これまで生息していた希少植物が土地開発や盗掘、外来種の影響などで消失していることもあり、「自分の備忘録」として冊子を作ったという。自宅のインクジェットプリンターで印刷した簡易製本で8部だけ作り、「もし、もらってくれるなら、希少種が生息する地域の公民館や学校へ寄贈したい」と考えている。
「毎年、春から秋にかけて、季節ごとの草花に会えるのが楽しみ」と話す松村さん。「消えてもよい植物なんて一つもない。植物と私たちの共通の未来について考えてみる必要がある」と訴えている。
(冊子『千種川流域の貴重な植物』を刊行した松村完治さん)
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