赤穂民報
関福大リレーコラム・自己の学びを社会に還元する(2月11日)
1995(平成7)年1月17日に起きた阪神・淡路大震災。この時、全国から多くのボランティアが集まり、さまざまな分野で活動しました。
この年を「ボランティア元年」と呼ぶように、この時期から、ボランティア活動はごく普通のこととして認識されるようになりました。
そして今日では、ボランティア活動も多様化し、さまざまな領域において、ボランティアの果たす役割が期待されています。図書館や博物館での活動、地域の学校での活動、スポーツ・運動指導などにかかわる活動、障害のある人を支援する活動などでボランティアが活躍しています。
ボランティア活動は、自分の好きなことやできることを、自ら進んで社会や地域の人々のために役立てるだけではありません。それと同時に、自分を豊かに成長させていく学習活動でもあるのです。つまり、ボランティア活動それ自体が生涯学習活動であり、ボランティア自身が学習者であるといえます。
生涯学習とボランティア活動の関係を整理すると、次のようにまとめることができます。第1に、ボランティア活動に必要な知識・技術を習得するための学習活動があります。第2に、ボランティア活動そのものが、充実感や生きがいにつながる学習活動であり、それまで学んできた成果を生かす機会となります。第3に、他の人々の学習活動を支援するためのボランティア活動があります。第4に、ボランティア活動による充実感や生きがいによって学習意欲が高まることで次の学習機会へと結びつき、その学びの成果がボランティア活動に生かされる、という上記の循環を後押しすることになります。ボランティア活動と学習活動は循環的に進展していく可能性をもっているのです。
ボランティアは、特別な人が特別な場所で行う特別な活動ではありません。自分の趣味や特技、知識を生かして、いつでもどこでも自分にできることを自分の出来る範囲で無理なく行うもの、そして、自分の趣味や特技、知識をより深めるものがボランティアです。あなたの学習成果や能力を社会や地域で生かしつつ、あなた自身の学びを深めてみませんか。(教育学部保健教育学科講師・猿山隆子)
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次回は教育学部児童教育学科の吉澤樹理講師です。お楽しみに。
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