赤穂民報

関福大リレーコラム・STEAMからみる理科教育(2)〜粒子編(3月18日)

 予測困難な時代に期待されている教育が、STEAM教育です。理系、文系の科目を超えた教科横断型の授業です。

 前回の「生命編」に続き、今回は、「粒子編」です。小学校4年生では、「金属・水・空気」の温まり方を習います。日常生活でみられる現象を、実験を通して理解していきます。

 はじめに、金属。金属は、どのように温まるでしょうか。温まると色が変わる金属棒や金属板を使う。すると、温められたところから順に色が変わります。この色の変化をタブレットやビデオカメラで撮影します。実験前と実験後の様子を比較できるのです。

 これを日常生活に当てはめると…。金属棒は、スプーンやフォーク。金属板は、フライパンや鉄板になります。料理をすると感覚的に見えてくる。理科と家庭科との融合です。

 次に、水。水の温まり方は、金属とは異なります。お風呂を想像してください。まず、温めたところから温まり、次に上の方から順に温まる。対流と言います。お風呂に入ったときに、上の方が熱い!となった経験がそれです。

 最後に、空気。空気の温まり方は、実は水の温まり方と同じです。生活では、エアコンが例に挙げられます。温まり方を知っていれば、エアコンの風の向きをどうすれば良いかが分かります。風向きを上にするか、下にするか。効率よく部屋を温める方法が分かるのです。

 このような日常に潜む科学を、他の教科と結びつけながら学ぶ。そこに、タブレットやカメラなどのデジタル機器を取り入れる。これが、現在の理科教育です。

 2019年に経済産業省は、未来の教室ビジョンを提言しました。「学びの自立化・個別最適化」「新しい学習基盤づくり」、そして「学びのSTEAM化」です。STEAM教育を推進するには、問題発見・解決的な学習活動の充実を図ることが求められています。そこに、次世代の子どもたちが目指す教育があるのです。それは、枠組みに捉われない新たな試みです。(教育学部児童教育学科講師・吉澤樹理)

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