赤穂民報

《市民病院医療事故多発》別の病院で副業か 「隠蔽」証言も(3月19日)

 赤穂市民病院で自身が関わった脳神経外科手術で少なくとも8件の医療事故を起こしたとされる男性医師(43)が在職中、同病院に無断で他の医療機関で副業していたとみられることが関係者への取材でわかった。

 職務専念義務を定める地方公務員法に抵触する。また、病院上層部は問題を把握しておきながら男性医師への処分を行わなかったとの証言もある。事実なら組織ぐるみで隠蔽を図ったことになるが、病院は否定している。

 関係者の話では、男性医師は2021年1月から2月にかけて約1か月間、健康上の理由で同病院を有給休職。にもかかわらず、大阪市内の医療機関で複数日アルバイトをしたという。副業は休職中以外にもあったといい、病院関係者が藤井隆院長に複数回通報したが、不問に付され、男性医師が処分されることはなかったという。

 赤穂民報は昨年12月、副業していた医師の氏名を特定せずに「脳神経外科医師が他の医療機関で勤務していたとの情報があるが事実か。処分せず黙認したのはなぜか」などと病院に取材質問。病院からは「承知していない。従って、副業を黙認していたという事実はない」との回答があった。

 「脳神経外科医の医師らに聴き取りした上での回答か」との質問には「当該医師が退職していることもあり、確認できていない」(総務課長)と返答。「医師を特定せずに質問したのに、なぜ副業していたのが退職した医師だと知っているのか」と問い質すと、答えに窮し、「早とちりした」と弁明した。

 赤穂民報は裏付け取材を進めた上で今年2月、病院へ再質問。副業問題に関しては「個人情報のため、また守秘義務に関することであるため、答えられない」と前回から回答内容が変わった。一方、上層部による隠蔽については、「そのような事実はない」と否定した。

 男性医師は同病院に採用された2019年7月から翌年2月までの8か月間に8件の医療事故を起こし、3月1日付けで手術と侵襲的検査の禁止処分を受けた。病院関係者によると、手術禁止処分を受けた頃から無届けの遅刻や早退、欠勤が目立つようになり、出勤しても病院内の個室に引きこもって通常の職務を果たさない日もあったという。こうした服務不履行についても特に処分を受けることなく、昨年8月末に依願退職。その翌日に副業先の医療機関に採用された。

 男性医師にも質問状を送ったが期限までに回答はなく、副業先の医療機関は「回答を差し控える」とした。

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer