赤穂民報

関福大リレーコラム・STEAMからみる理科教育(3)〜地球編(4月2日)

 教科横断型のSTEAM教育は、科学(Science)のS、技術(Technology)のT、工学(Engineering)のE、芸術(Art)のA、数学(Mathematics)のMを統合させた教育です。この教育の根本には、児童自ら学びに向かう探究型の授業があります。

 第三回は、「地球編」。今回は、STEAM教育における地球領域の学習についてご紹介します。

 さて、今日の「雲」はどんな雲でしょう?小学校5年生では、「雲と天気の変化」を学びます。雲の種類を調べる学習から天気の移り代わりを学ぶのです。実は、雲は10種類しかありません。え?と思われた方もいることでしょう。

 これまでの教育では、校庭で雲を観察し、ノートに絵を描いて記録をとる方法を用いていました。昨年からは、多くの小学校で一人1台、パソコンが配布されたこともあり、写真を撮影する学校が増えています。

 雲の種類は、「くもろぐ」というアプリで簡単に調べることができます。パソコンを使って雲を撮影すると、今日の雲がどんな雲かが瞬時に分かります。例えば、調べてみた雲が「乱層雲」だと、「もうすぐ雨が降るな」ということが分かります。雲の移り変わりから天気を予想できるのです。

 インターネットや一人1台パソコンの普及によって、天気の移り変わりは「ライブカメラ」でいつでも見ることができます。これを使うことで、自分の地域の雲画像や雨量、天気をリアルタイムで調べることができます。このような学習の中で、雨量を数値で表すことは「算数」、雲や天気の画像編集は「技術」、雲と天気の関係は「理科」など、教科を横断した授業へと繋がります。

 現在、これまでの教員が一方的に教える「教授型」の授業から、児童が自ら調べ学習する「探究型」の授業へと変化しています。これらは、実社会での問題発見・解決に生かしていくために必要な能力です。その中で、新たな価値を創造できる児童の育成が求められています。理科教育では、教科横断型で探究的なSTEAM教育が、それに当てはまります。(教育学部児童教育学科講師・吉澤樹理)

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