赤穂民報

「子どもたちに幸あれ」松村さんのスズラン咲く(4月18日)

 「スズランおじさんが送ってくださったスズランが咲きました」と東有年の元小学教諭、寺内まみさん(71)が知らせてくれた。

 「スズランおじさん」とは赤穂市出身の故松村良明さん。高雄生まれの松村さんは仕事の関係で1959年に北海道に移住。冬の寒さに耐えて美しい花を咲かせる野生のスズランに感動し、「赤穂にはない花を見せてあげたい」と母校の高雄小へ贈った。その後も毎年贈り続け、子どもたちから「スズランおじさん」の愛称で呼ばれた。

 寺内さんは30年ほど前に高雄小に勤務したことがあり、当時松村さんから送られたスズランを自宅庭に株分けしたという。暑さに弱いスズランだが、半日陰の場所が合ったのか、毎年4月から5月にかけて開花。1本だけだった花株は今では約20本に増えた。

 「例年は1本か2本しか咲かないのですが、今年は今までになくたくさん花がつきました」と寺内さん。庭におじゃますると、ハナミズキの根元あたりに身を寄せ合うようにスズランの花株があり、白いベル型の小さな花が茎に連なって咲いている。

 松村さんが2008年7月に82歳で亡くなってから今年で丸14年。当時小1だった学年は昨年20歳になった。スズランの花言葉は「純粋」「幸せの再来」だという。寺内さん宅のスズランには、子どもたちの幸せを純粋に願った松村さんの思いが宿っているように感じた。

(例年よりも多く花が咲いたという松村良明さんゆかりのスズラン=寺内まみさん宅)

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