赤穂民報

三菱電機赤穂工場で検査不正 40年前から(4月22日)

 三菱電機(漆間啓社長)は21日、鷏和の系統変電システム製作所赤穂工場で製造された変圧器に少なくとも40年間にわたり、不正な検査や設計が行われていたと明らかにした。

 同社の発表によると、変圧器の耐電圧試験で標準規格よりも低い電圧でテストしたり、温度上昇試験で限度値を超えた温度が実測されたにもかかわらず成績書に虚偽の数値を記載。絶縁や温度に関し、標準規格と異なる設計をしていたという。

 こうした不正は、試験記録が現存する1982年から今年3月までに出荷した変圧器8363台の約4割に及ぶ3384台で行われ、国内外の電力会社や鉄道会社などに納入。原子力発電所にも使われているという。

 同社では2018年以降、複数の工場で品質を巡る不正が発覚し、当時の役員が引責辞任。昨年7月に外部専門家による調査委員会を設置して「全社レベルでの品質不適切行為の事実調査・真因究明と再発防止策の策定・提言」などに取り組んでいたが、赤穂工場ではこの間も不正な検査が継続していたという。

 発表によれば、赤穂工場の不正は調査委による調査の過程で4月1日に判明した。直ちに変圧器の出荷を停止。現在は設計や検査を適正に実施した製品で出荷を再開しているという。

 同社広報部は「社会インフラで広く使用される製品に関して、お客様や関係者、社会の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけすることを深くお詫び申し上げます」とコメント。不正が誰の指示や権限で行われていたのかなどの実態については、「調査中で現時点は説明できない」としている。また、赤穂工場の責任者への取材を申し込んだが、「事案への対応を最優先する」として応じなかった。

 赤穂工場で勤務経験のある同社OBの男性は「(不正の)話は聞いたことがある」としながらも、「もう退職して何年も経つので話せることはない」と口をつぐんだ。

(40年間にわたり変圧器の不正な検査や設計が続いていた三菱電機赤穂工場)

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