赤穂民報

飼い主いない猫の不妊手術費助成導入 西播磨で初(5月6日)

 野良猫の繁殖を抑制することで糞尿被害などを減らそうと、赤穂市は飼い主のいない猫に不妊・去勢手術を施して終生飼養する市民や自治会に手術費を助成する制度を4月から導入した。西播磨の市町では初めて。

 協力病院で手術した猫を室内で終生飼養することを条件に1頭につきオス5千円、メス1万円を上限に助成。やむを得ない理由で室内飼いできなければ、地域の理解を得た上で適正に飼養しようとする場合も助成対象に認める。年度内に1人5頭(自治会は10頭)まで申請できる。

 市によると、4月20日時点で1件5頭の申請を受理した。オス、メス各30頭分の助成額を今年度一般会計に予算計上しており、引き続き申請を受け付けている。

 環境省によると、春先に生まれたメスの子猫はその年の秋には子猫を産めるようになり、1回の出産で4〜8頭を産む。1年に2〜4回の出産が可能で、「計算上は、1頭のメス猫から1年で20頭、2年で80頭以上」に繁殖する可能性があるとされる。

 そのため、飼い主のいない猫に不妊手術を行って一代限りの命をまっとうさせる「TNR活動」が行われるようになり、手術済みの目印として片方の耳を桜の花びらのような形にカットすることから「さくらねこ」と呼ばれる。

 赤穂市内では昨年8月に発足したボランティアグループ「赤穂の野良猫を地域猫にする会」(土居裕二会長)がクラウドファンディングで集めた資金も活用して今年3月末までに31か所計212頭を捕獲して手術。里親が見つかった29頭を除き、元の場所に戻した。土居会長によると、まだ捕獲されていない猫は、同会が確認できただけで市内に116頭いるという。

 市と定期的に意見交換会を開くなどして助成制度の導入を要望してきた同会は「地域の環境を守るために制定した制度。活用が進むように今後も協力や提案をしていきたい」とコメント。「残念ながら、猫の遺棄や虐待を疑われるケースに遭遇することがある」といい、「助成制度と合わせて、正しい猫の飼育についての普及啓発も求められる」としている。

 助成制度に関する問い合わせは市環境課Tel43・6821。

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