赤穂民報
関福大リレーコラム・活動にある学習2〜キャンプ編〜(6月3日)
「キャンプ」は近年のコロナ禍の影響を追い風とし、急速に愛好家が増えた趣味となりました。最近では、家族や友人、ボッチキャンプというそれぞれの方法に応じた装備が次々に商品化されています。
私もキャンプの魅力に取りつかれてしまった一人です。何がそんなに駆り立てるのか、冷静になれない時がしばらくあり、とにかく野外で生きられるための装備を買い込む日々が続きました。
キャンプの魅力は何か、友人らにも聞いて考えてみたところ、キャンプはどうやら活動にある学習が魅力であることが分かってきました。
例えば、テントをどこに構えるか。これは最初のとても楽しい問題です。決め手となる条件は、風当り、日当たり、見晴らし、地面の平らさ、トイレまでの距離で、優先順位とのすり合わせが始まります。どの場所も多少のリスクはあるため、よりよい妥協点を探り決定します。
また、装備品の準備によってキャンプの難易度を変えることができるのも魅力の一つです。装備を減らすことで、代用や工夫をせざるを得なくなり、時には、木を削ってその時に必要なものを作ります。準備の時点で難易度を決め、挑戦の度合いをイメージします。そこには湧き上がる意欲・叶えたいビジョンがあります。つまり、主体的以外の何ものでもない状況なのです。
このようにキャンプは、工夫、代用、変化、調節、イメージなど様々な考え方や応用力を必要とします、と言うと大げさですが、本来の「生きる」とはそういうことだったと改めて実感できるのがキャンプです。物の豊富な中にいてはうまれない思考力や技能へのチャレンジがこの活動にある学習であると言えます。
赤穂市近隣には、丸山県民キャンプ場、赤穂海浜公園キャンプ場、安室ダムキャンプ場などがあり、なにわナンバーや神戸ナンバーの車など遠方からくるキャンパーもたくさんいてホットスポットとなっています。
次回は、活動にある学習3「アフォーダンス」です。(教育学部児童教育学科講師・金子美里)
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