赤穂民報

御崎特区の適用第1号 空き家が飲食店に(6月4日)

 3年前に兵庫県から特別指定区域の指定を受けた御崎地区の市街化調整区域で、「住宅」だった建物を「飲食店」に用途変更する申請が認められた。同区域が指定されて1例目で、「赤穂サンクチュアリ」の名称で6月にもオープンする予定だ。

 特別指定区域制度は、建物の建築が厳しく制限されている市街化調整区域で課題となっている人口減少や産業衰退に対応しようと、土地利用計画に基づいて市町から申し出があった区域を県が指定し、地域に必要な建物を建てられるようにするもの。赤穂市では2019年6月、御崎の温泉旅館街から東御崎展望台にかけての観光道路沿いに点在する合計約9・7ヘクタールで指定を受け、一定面積以下の飲食店や宿泊施設、土産物販売店などの建築や用途変更が可能になった。

 1例目となったのは、御埼灯台の東側斜面に建つ鉄筋コンクリート造り(一部木造)2階建ての建物。15年ほど前から空き家になっていたところ、瀬戸内地方で物件を探していたオーナーの人材育成コンサルティング会社経営、川波拓人さん(49)が気に入り、敷地1578平方メートルとともに購入。カフェとワーキングスペースなどを兼ねた場に活用しようと昨年12月に用途変更を申請し、今年3月に許可された。

 現在オープンに向けて改修工事中で、木をふんだんに使ったナチュラルな雰囲気になりそう。カフェとワーキングスペースとなる2階からは瀬戸内海が見え、窓を開ければ海からの風が吹き抜ける。オーナーから改修と運営を任されている環境コンサルタント会社「美しい循環研究所」代表の立石郁さんは「時間を過ごす楽しさを味わい、自分をととのえたり、新たな気付きを得られる空間に」とコンセプトを話す。

 段々状の広い庭は果樹を植えるなどして「パーマカルチャー(永続可能な循環)」をイメージしたスペースに育て、バーベキューできるコーナーも整備していくなど構想を広げる。

 「赤穂サンクチュアリ」は御崎165の1。観光道路沿いに駐車場あり。フェイスブック(https://www.facebook.com/ako.sanctuary/)で情報を発信している。

(御崎の特別指定区域で制度適用1例目となり、オープンに向けて改装中の「赤穂サンクチュアリ」)

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