赤穂民報

《市民病院医療事故多発》医療事故7件で文書報告期限守られず(6月25日)

 赤穂市民病院の脳神経外科手術で2019年度に相次いで発生した医療事故8件のうち、同病院が内規で定める「24時間以内に文書で報告」があったのは1件のみで、残りは内規が守られていなかったことがわかった。

 事故発生から7か月以上経過してから提出された症例もあり、同病院のずさんな医療安全体制がまた明るみになった。

 医療事故発生時の対応手順を定めた同病院の「医療安全対策実施要項」では、医療事故が起きた場合、「早急に口頭にて報告し、24時間以内に文書で報告する」との取り決めになっている。

 しかし、医療過誤をめぐる民事訴訟で同病院が神戸地裁姫路支部に提出した今月13日付け書面によると、取り決めどおりの24時間以内に文書(医療事故報告書)で報告があったのは2020年1月22日に当時74歳の女性の腰椎を手術中、ドリルで硬膜を損傷して一部の神経を切断した1件のみ。同年2月27日に当時84歳の女性のカテーテル手術中、ガイドワイヤーが血管を突き破った症例の文書報告は発生から6日後、あとの6件の文書提出日は発生から2〜7か月が経過した同年4月24日だったとしている。

 これら一連の医療事故の文書報告日について、病院はこれまで「係争中」を理由に取材に答えておらず、原告側の求釈明を受けて初めて情報を開示した。

 しかし、内規に従って文書報告がなされなかった理由、口頭報告の有無、6件の医療事故報告書がまとめて提出された背景など、病院が明らかにしていない疑問点はまだある。また、一連の医療事故を起こしたとされる男性医師(44)に対し、藤井隆院長(当時)が手術禁止処分を与えた2020年3月1日の時点では医療事故報告書は出揃っておらず、何を根拠に処分を判断したのかも疑問が残る。

 これらの疑問について赤穂民報は病院に20日付けで改めて質問したが、「期限(6月23日正午)までに回答できない」と連絡があった。

(ずさんな医療安全体制が問われている赤穂市民病院)

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