赤穂民報

学校給食異物混入 過去にも金属片4件(7月2日)

 赤穂市学校給食センターが提供した学校給食で、記録が残る2017年度以降、危険異物の混入が計5件あったことがわかった。市教委のマニュアルでは危険異物の混入は健康被害がなくても「報道機関に情報提供を行う」と取り決めているが、5件とも公表していなかった。

 公文書公開請求で開示された「異物処理簿」によると、異物混入の報告があったのは、折れ曲がった釘(長さ約4センチ)やホッチキスの針など。いずれも危険異物とされる「金属片」に該当するが、報道への情報提供だけでなく、教育長や他校への連絡もなかった。その理由についてセンターは「除去対応し、健康被害がなかった」と説明。市教委は「混入の原因や経路が特定できないまま、公表したら不安だけが募る」(高見博之教育次長)と取材に答えた。

 しかし、原因が特定できたにも関わらず、公表していない事案も。一昨年11月に給食センターの泡立て器の持ち手の一部(長さ約1センチ)がおかずに混入していた事案では、児童が口に入れて固かったので吐き出したという。市教委は「公表した後で、実は歯の詰め物だったというような可能性も考えられるなど、教育的配慮が必要な場合もある」と話す。

 学教給食をめぐっては、今年5月19日に提供されたあぶらパンに成形機の部品が折れたとみられる金属ピン(長さ約1・5センチ)が混入。「原因が特定できており、他に混入のおそれがない」(センター)などの理由で報道への情報提供はなかったが、読者からの情報提供で発覚。記事を見た読者から「2、3年前にも金属片の混入があったのに公表されていない」といった情報が複数寄せられた。

 開示された異物処理簿は文書保存年限の5年分で計218例あった(配膳時や喫食時に混入した可能性のある事案も含まれる)。赤穂民報が種類別に集計したところ、「虫類」が57例で全体の約4分の1を占めた。「毛髪」35例、「ナイロン・ビニール・スポンジ類」14例のほか、野菜の筋や軟骨、果物の種など食品由来とみられるものが33例あった。また、全体の37%に相当する81例は委託業者が直接各学校園に納入する米飯・パンに関係する事例だった。

 焼きそばをパンにはさんで食べていた生徒の口に魚の骨片が刺さった事案や、米飯に混入した黒い異物を検査したらカビの菌糸が観察された事案もあったが、市教委とセンターによれば、「危険異物には該当しない」という。

 尾上慶昌教育長は「対応に課題の残る点はあった。マニュアルの見直しを進め、安全安心な学校給食の提供に努めたい。赤穂市の給食センターは50年間健康被害を出していない。決して手を抜いていることはないことを理解してほしい」と話した。

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