赤穂民報

《西有年産廃》町長「計画断念を強く要請」協議会「民意受け止めて」(7月12日)

 産業廃棄物処分場建設計画の賛否を問う上郡町の住民投票から一夜明け、梅田修作町長は11日午前、町役場で会見。投票率が住民投票の成立要件だった50%を大きく上回る68・54%だったことを「町長として誇りに思う」と述べた。

 梅田氏は「町民の皆さんが上郡町を大事にしたいという思いを直ちに伝える」として同日午後に県庁を訪問。許可権を持つ齋藤元彦知事宛ての要望書を県庁へ提出した。

 梅田氏は会見で「住民投票に法的拘束力がないとはいえ、反対多数で成立したほとんどの自治体で事業者が撤退している」と過去の事例を引き合いに計画中止への期待を表した。「事業者に対しては、町民の思い、意向を受けて(計画を)断念していただくよう強く要請したい」と語り、上郡町と同様に千種川を上水道の水源とする赤穂市と相生市、姫路市の首長と連携を強める考えを示した。

 反対票の得票率が8割近くに上ったことには「町民の大きな民意が結果に表れた。この町の自然を次の世代まで残したい、水源の上流に住む者として下流の人々に安心な水を送りたいという願いや強い責任感が反映されたものだと思っている」と見解を述べた。

 一方、「賛成」の得票率が約2割あった要因については「『住民投票に賛成』と勘違いして投票した人があったと聞いている」としながらも、「(雇用面を)期待した人があったことは承知している」と計画の推進を望む町民が一定数あることを認めた。

 梅田氏は「(事業者は)中間処理施設の建設は今のところないと答えている。雇用が増えるかどうかは未知数」「処分場ができるのなら地元には帰らない、という声も聞く」と産廃処分場による地域活性化に懐疑的な見方を示し、「『名水百選』に選ばれている千種川の水をはじめ、自然の恵みから得られた農作物をブランド化するなど、地域の経済が潤う仕組みを作っていきたい」と豊かな自然環境を活かした地域振興に取り組む考えを話した。

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 また、11日には住民投票の実現に役割を果たした住民団体「上郡産廃問題対策協議会」(塚本義勝会長)も町役場で会見した。

 同会は「世の中は法律で動くが、住民の声は非常に大きな意味を持っている」と民意の重要性を強調。「事業者には民意を受け止めてほしい」と要望した。

 今後の協議会としての取り組みについて、「県や事業者と折衝する町長を支援していく」と第一に挙げ、協議会の推薦議員が過半数を占める町議会で「議員提案による『反対宣言』を考えている」と明らかにした。

(「計画反対」が約8割に上った住民投票の結果を受け、事業者に計画断念を要請する意向を示した梅田修作町長)

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