赤穂民報

《市民病院医療事故多発》多発と同時期にレベル基準改訂(8月27日)

 赤穂市民病院が2020年2月、医療安全対策実施要項を改訂し、医療事故とする範囲を従来よりも狭めていたことが同病院への取材でわかった。

 改訂のタイミングは同病院の脳神経外科で多発した医療事故を上層部が認知した時期と重なるが、病院は「集計システムの改修ができたことに合わせて改訂したもの」とし、相次いだ医療事故との関連を否定している。

 同病院が開示した資料によれば、要項改訂で医療事故とする基準を1段階引き上げて「レベル3b以上」に変更。改訂前は「医療事故」とされていた「レベル3a(事故により簡単な処置や治療の必要性が生じた場合)」は「ヒヤリ・ハット(インシデント)」に区分けられることになった。新基準は2か月後の4月から適用したという。

 同病院では医療事故を認めた8件以外にも脳神経外科で「手術後に経過が思わしくなかった」ケースが3件あり、病院によると、いずれも「レベル3a」に該当するという。

 病院はこれら3件について、今年3月の記者会見で一旦「医療事故」としながらも、3か月後の会見では「医療事故調査委員会で検証した結果、いずれも医療事故ではない」と判断を変更。「基本的には『事故により濃厚な処置や治療の必要性が生じた』場合(※レベル3b)を医療事故として、それより軽いものはいわゆるヒヤリ・ハットと言われるインシデントになる」(高尾雄二郎副院長兼医療安全推進室長)と新基準に基づく説明を行った。

 病院は「手術が行われた時点ではなく、医療事故かどうかを判断した時点(医療事故調査委員会を開いた今年2月と3月)で運用されている基準を適用した」(同課)とし、要項を改訂した理由については「以前から兵庫県の基準と合わせる予定だった。集計システムの改修がたまたまそのタイミングになっただけで、医療事故が起きたから変えたのではない」(医療課)としている。

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