赤穂民報
市民病院 第1四半期で年間目標超える収支改善 コロナ空床補償の恩恵も(8月30日)
慢性的な財政難からの脱却を目指して今年度から経営改善の取り組みを強化している赤穂市民病院(寺谷進病院事業管理者、高原秀典院長)は30日、今年度第1四半期(2022年4月〜6月)の経営状況を公表。今年度の改善目標の3億5500万円を超える約4億6259万円の収支改善があったとした。
病院のまとめによると、経営改善の比較基準となる2020年度に比べ、3か月間の入院と外来は、いずれも患者数、診療単価とも増加。収入にあたる病院事業収益は約36%増の23億2083万円となった。このうち約3億2222万円は新型コロナ病床の設置に伴う空床・休床補償費だという。
一方、支出にあたる病院事業費用は24億6617万円(月ごとの偏りをなくすため決算額または予算額を12分割して計上)となり、約6%の増加に抑制。差引収支の赤字額は6億793万円から1億4531万円に縮小した。
これらの経営状況は同日、赤穂市議会の市民病院経営改善調査特別委員会(釣昭彦委員長)で示された。入院患者数が増加した要因を病院側は「呼吸器科の常勤医が加わり、入院受け入れが可能になったことが大きい」と説明。経営改善策の一つに挙げている「術前検査の外来での実施徹底」については「数値はないが、努力する意識が高まっている」とした。新型コロナの空床・休床補償費を収益に加えることに疑問を投げかけた委員もあったが、「本来は医業収益を生んでいた病床を閉めてコロナ対応にあたっているので対象と考えたい」と理解を求めた。
同特別委は「経営改善を考える上で医療安全は避けて通れない」との山田昌弘議長の判断を踏まえて設置された経緯があり、一連の医療事故についての質疑もあった。患者側から問い合わせがあった場合を除いて医療事故の説明を行わない考えを示した病院に対し、「規定では説明しなければならないことになっている。病院として患者、市民への責任を果たすべき」と再考を求める意見があり、喜多晃事務局長は「この場ではどうするか答えられないが、検討したい」と答弁した。
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