赤穂民報
《市民病院医療事故多発》被告の市が証拠提出拒否 和解の申し出もなく(9月17日)
赤穂市民病院の医療過誤被害者と家族が赤穂市と当時の主治医を相手取り損害賠償を求めている裁判で、医療事故調査に関する議事録の提出を赤穂市が拒否したことがわかった。
原告の患者側は「議事録は真相究明に不可欠な資料」などとして裁判所に文書提出命令を申し立てる意向だが、市側は「文書提出命令申し立ては却下すべき」と主張している。
裁判を訴えているのは、2019年9月から20年2月にかけて同病院脳神経外科で発生した計8件の医療事故のうち、病院が手術ミスを認めた症例の患者と家族。病院はこれらの医療事故について昨年3月から6月にかけて「検証会議」を計3回、そして今年2月と3月に「院内医療事故調査委員会」を計2回開いたと明らかにしている。
原告は一連の会議の議事録について今年2月、「(医療過誤の)内容、過失の程度の評価を認定するにあたって重要な資料」だとして被告の赤穂市に任意提出を要求。市側は提出期限の8月31日に「議事録を証拠提出するつもりはない」と文書で答弁した上で、今月13日付けの意見書で「(これまでに提出した医療事故報告書や外部検証結果報告書で)検証結果の内容は既に明らかになっており、議事録を証拠として取り調べる必要性はない」などと反論した。
同病院は今年6月の記者会見で「裁判の長期化を回避することで原告の負担の軽減を図ることができるのではないか」として和解を申し出る意向を示したが、原告によると、「今のところ、和解の申し出は受けていない」という。
原告代理人弁護士は「本件を含む一連の医療事故と誠実に向き合っていない訴訟態度と言わざるを得ない。病院側が記者会見で表明した方針とも明らかに矛盾しており、不信感を拭えない」と市側の対応を批判している。
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