赤穂民報

「ピースロード」正副議長も出席 市議が依頼(10月1日)

 昨年7月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体が主催した行事に牟礼正稔市長が出席していた問題で、その行事に山田昌弘議長、前田尚志副議長が参加していたことがわかった。3人とも土遠孝昌議員からの依頼で参加していた。

 牟礼氏らが参加したのは昨年7月22日に市庁舎東側で行われた「ピースロード2021イン姫路 連結式」。この日は祝日で、牟礼氏は秘書1人を帯同して公務として出席してあいさつ。山田氏もスピーチしたという。

 牟礼氏は「主催者名が『ピースロード実行委員会』となっており、旧統一教会との関連を認識できなかった」といい、山田氏も「世界的な平和運動だと聞いて参加した。問題があるという認識はなかった」と話した。

 自身も行事に出席した土遠氏は赤穂民報の取材に、「10年弱前からの親しい友人から頼まれた。友人を信用した」と経緯を説明。市長と正副議長への出席依頼は「友人から頼まれたのではなく、自発的に依頼した」と話した。

 土遠氏は友人について「市外在住で支持者ではなく、選挙運動を手伝ってもらったことはない」といい、今回のことを受けて本人に旧統一教会との関係を確認したところ、「全然関係ない、と言われた」という。友人がピースロードに関わっていた理由は「わからない」とし、「これだけは言っておきたいが、僕は(旧統一教会とは)一切関わりはない」と強調。ピースロードと旧統一教会の関係性を報道で知った後、「迷惑を掛けて申し訳なかった」と市長と正副議長に謝罪したことを明らかにした。

 「ピースロード」のホームページによると、「世界平和と連帯の必要性をアピール」することを目的に自転車で各地を縦走するプロジェクトとみられる。「世界平和を推進するUPFの世界的な友好親善プロジェクト」と説明があり、旧統一教会とUPFを創設した故文鮮明氏の氏名が記載されている。

 牟礼氏と正副議長、土遠氏はいずれも、「今後は、行事やイベントへの出席依頼には、より慎重に対処したい」と話した。

 土遠議員への取材の主なやり取りは次のとおり。

 * * *

ーー市長と正副議長に「ピースロード」への出席を依頼したと聞いたが事実か。

 「その通りです」

ーー(土遠氏は)誰から頼まれたのか。

 「親しい友人から。支持者ではない。赤穂市民ではない。ここ8年か、10年弱の友人」

ーー選挙応援は受けていないか?

 「1回か2回はのぞきに来てくれたけど、選挙運動を手伝ってもらったことはない」

ーー出席依頼を受けたとき、行事の内容や主催者について調べなかったか。

 「友人に『思想的な団体ではないでしょうね?』というのは確認した。変な団体なら市長にお願いするわけにはいかないので。自分自身は『ピースロード』という行事を知らなかった。初耳だった。平和運動だと、思想的な団体ではないと聞いた。友人を信用した」

ーー依頼は文書であったのか。

 「口頭だった」

ーー市長への依頼は何か文書があったのか。

 「文書は出してない。平和運動の人が姫路から自転車で来るので対応してくれませんかとお願いした」

ーー「ピースロード」という行事名は伝えた?

 「それはちょっとわからない。平和運動だというのは伝えた」

ーー議員になってから、イベントや行事への出席を頼まれることはどれくらいあるか。

 「何回かはあったが、そんなに多くない」

ーーよく知らないイベントや行事の場合、調べないか。

 「今回は友人を信用した」

ーー友人と世界平和家庭統一連合の関係は?

 「今回のことが問題になって、本人に確かめたが『全然関係ありません』とのことだった」

ーーでは、なぜ友人はピースロードに関わっていたのか。

 「そこはわからない。誰かに頼まれているのでは」

ーー昨年7月22日の行事には友人も参加していた?

 「多分、来てなかったのでは。自転車の人ばかり来ていた」

ーー旧統一教会の関連団体の行事だと知ったのは、どの時点か。

 「ピースロードの報道が出てから。ちなみに、僕自身は旧統一教会とは一切関わりがない。それだけは言っておきます」

ーー友人も、ピースロードが旧統一教会の関連団体の行事だと知らなかったのか。

 「それはわからない。確認していない」

ーー今後確認する予定はないか。

 「今のところ別に。。。」

ーー今後、再びピースロードへの出席を依頼されたらどうするか。

 「絶対受けません」

ーーピースロードのホームページには、旧統一教会を創設した文鮮明の名や関連団体の名称が表記されている。昨年の時点でそれを見ていたら出席を取り止めていたか。

 「文鮮明という名前を知らなかったし、友人から『思想的な団体ではない』と言われたら信用して参加していたと思う」

ーー今後もいろいろなイベントや行事への出席を依頼されることもあると思うが、どのように対応するか。

 「慎重にしたい」

ーー結果的に市長や正副議長を巻き込んだことになった。

 「ご迷惑をお掛けしましたと、謝りに行きました」

ーーところで、市長や正副議長へ出席を依頼したのは、友人からそのように頼まれたからなのか、それとも、土遠議員の考えで呼び掛けたのか。

 「自発的に依頼した。友人から頼まれたのではない」

 

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer