赤穂民報
《市民病院医療事故多発》スタッフから「ボイコット」後も手術(10月1日)
赤穂市民病院で2020年1月にあった脳神経外科手術で医療過誤を起こしたとして患者と家族から損害賠償請求を訴えられている被告医師が、医療過誤が起きる以前に一部の医療スタッフから手術への協力を拒否されていたことがわかった。
同病院は、赤穂民報の取材に「そのような事実は承知していない」と回答したが、事情を知る病院関係者は当時の実態を詳しく証言した。
証言によると、臨床工学部のリーダーがカテーテル手術を担当する臨床工学技士らの総意として、被告医師が行う手術への参加を辞退する旨を脳神経外科長に文書で申し入れた。時期は「2019年12月から翌年1月ごろ」で、遅くとも医療過誤が発生した2020年1月22日までには申し入れがあったという。
その後は上級医の監督下でない限り、被告医師のカテーテル手術に臨床工学技士が協力することはなく、被告医師が当直する夜間に緊急手術が必要となった場合は、上級医が到着するまで手術に着手しないとの合意がなされていたという。協力拒否の理由について関係者は「(被告医師のカテーテル操作が)乱暴で稚拙で、患者にとって危険だったため」と証言した。
被告医師は2019年7月に赤穂市民病院に着任。病院の発表では、同年9月から翌年2月までに脳神経外科の手術で発生した医療事故8件すべてに関わったとされる。臨床工学技士らによる辞退の申し入れがあったとされる20年1月以降も手術を続け、患者の腰の神経をドリルで誤って切断した医療過誤を含む3件の医療事故が発生。同年2月27日にはカテーテルによる血栓回収の緊急手術中の患者が昏睡状態に陥り、そのまま5日後に死亡した。
被告医師は、その2日後の3月1日に藤井隆院長(当時)から手術禁止を言い渡され、その後も執刀を解禁されることなく退職した。
医療過誤症例の患者家族は、事故から7か月が経過した2020年8月ごろ、病院関係者からボイコットの件を知らされたといい、「この件をお聞きした際、強い衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。遅くともボイコットがあった時点で手術禁止にしてくださっていたら、母の医療事故は起きなかったのではないかと思います。そう考えると本当にやるせない気持ちになります」と語った。
カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ
読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり
取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針
赤穂民報社