赤穂民報
三菱電機の検査不正 赤穂工場で8件4325台 すべて意図的(10月24日)
三菱電機の検査不正問題をめぐり、弁護士などによる調査委員会がまとめた最終報告書が20日公表され、国内22製造拠点中17拠点で累計197件の不正があり、そのうち8件が赤穂工場で行われていたことが明らかになった。
報告書によると、赤穂工場の不正は1982年から今年3月にかけて、いずれも変圧器製造部で行われ、▽顧客と合意した仕様を満たさない設計▽試験結果の虚偽記載▽試験の不実施ーなどが行われた。コスト削減、顧客説明の手間を省く目的で、すべて意図的に行われ、管理職が指示したものもあった。
同社によると、赤穂工場で何らかの不正を行って出荷された変圧器は合計4325台。不正が行われた期間中に出荷した変圧器8363台の半数以上に上る。1台で複数の不正が行われた変圧器もあったが、報告書は「いずれの品質不正についても、人の生命・身体に危害が及ぶおそれはなく、性能に関する問題も発見されていない」としている。
報告書によれば、赤穂工場における一部の不正は2002年〜06年を最後に行われなくなったが、これは他社との合弁会社に事業移管されたのを機に不正の露見を恐れた管理職が中止を指示したものという。また、18年以降、おおむね年1〜2回の割合で協力会社を含む複数の従業員が不正をやめたい旨を上司に申し出たが、管理職は「いずれ改善する」と述べただけで具体的な措置を講じず、「不正を中止すれば、試験不合格や変圧器の破損等で、かえって不正が露見する」との理由で、調査委員会の調査で発覚した今年4月まで継続されたケースもあった。
赤穂工場で不正に関わったのは、歴代の変圧器製造部の管理職と担当者で「数十名程度」に及ぶという。同社は「今回の調査では、徹底的に問題を洗い出すため、特例措置(懲戒リニエンシー)を適用し、不適切行為を自己申告した者、調査活動において協力し、不適切行為を自己申告、自認した者については懲戒処分の対象外」としている。
(40年間に出荷された変圧器の半数以上で不正が行われていた三菱電機赤穂工場)
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