赤穂民報

「持続可能な地域公共交通網を」近畿運輸局から提案書(2月22日)

 赤穂市内の地域公共交通が抱える課題解決へ向けて検討すべき項目と提案を国土交通省近畿運輸局がまとめ、「地域連携サポートプラン」として提案書を21日に市に交付した。

 近畿運輸局は昨年1月、赤穂市と地域公共交通の維持や利用促進を目指して取り組む「地域連携サポートプラン協定」を締結。市内の路線バスの運行状況や事業者へのヒアリングなど計12回の現地調査を実施して提案書をまとめた。

 提案書では、人口減少や車社会の進展に加えてコロナ禍による利用者減、燃料価格の高騰など交通事業者の経営が非常に厳しい状況にある中、赤穂市においても「地域公共交通を取り巻く環境は一層厳しくなる」と予想。今後の課題を「持続可能な地域公共交通ネットワークの構築」と設定した。

 路線バスとコミュニティバスの運行ルートが一部重複していることや、コミュニティバスの収支率が低いことなど問題点を指摘した上で、各公共交通機関の役割の明確化、行政が財政負担すべき目標値の設定などを提案。それらを「地域公共交通計画」として策定する必要性を訴えている。

 また、企業の送迎バスを路線バスで代替した事例や、人だけでなく荷物も運ぶ「貨客混載」を導入した自治体など具体例を示し、「まち全体で地域公共交通ネットワークを支える仕組みづくり」を提言している。

 市は提案書を受けて、来年度中に地域公共交通活性化協議会で計画をとりまとめ、早ければ2024年度から実行に移していきたい考え。協議会にメンバーとして加わってサポートする近畿運輸局は「地域公共交通ネットワークの活性化には、官民などの垣根を越えた『共創』がかぎとなる。市民が主体的に関与する仕組み、関係者が議論を尽くすことが大切だ」などと今後のポイントを挙げた。

(近畿運輸局から赤穂市へ提案された「地域連携サポートプラン」の交付式)

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