赤穂民報
学生らが空き家活用 夏季限定かき氷店(8月4日)
かつて曾祖父母が暮らした空き家を活用し、赤穂出身の大学生が仲間と協力して夏休み限定のかき氷専門店「コオリガトケルマエニ」を1日、上仮屋北にオープンした。
口溶けの良さにこだわった、きめ細かいかき氷を落ち着いた和室や縁側のカウンターで提供して今季で3年目。地域の話題になっている。
店長の平福昂生(こうせい)さん(22)=加東市=は赤穂生まれ、高砂育ちで兵庫教育大学学校教育学部の4年生。2年前、「学生のうちしかできないことをやりたい」との思いから夏季休暇を利用したショップ経営を思い立ち、幼なじみの溝上滉大(こうた)さん(21)=高砂市、兵庫大学現代ビジネス学部4年=に声を掛けた。起業願望のある溝上さんは二つ返事で共同経営を引き受けた。
かき氷を売る店にすることを決め、開業に必要な食品衛生責任者の許可も取得したものの、問題は店舗。テナントを借りられる資金はない。平福さんは子どもの頃、夏休みやお正月の度に帰省した曾祖父母の家が空き家になっていることを思い出した。物件を管理している親族に相談したところ、無料で貸してくれることになった。
木造瓦葺き2階建ての家屋は、大工だった曾祖父の好夫さんが自らの手で建てた自慢の家だという。平福さんは最小限の補修だけ自分たちで行い、家具や置物もそのまま活用。できるだけそのままの状態を維持して店をオープンした。飾り気のない素朴な雰囲気で、客からは「親戚の家に遊びに来たみたい」と言われる。
削り器の刃を常に調整しながらブロックの氷を削り、「綿菓子のようにフワフワ」の一杯にこだわる。電動のマシンもあるが、基本は手回しの削り器を使う。その方が「氷を削るときの『シャリシャリ』という音でお客さんに心地良い季節感を感じてもらえるから」だという。メニューは「いちごヨーグルト」750円、「ミルク金時」700円など10種類。一番人気はフレッシュな果実と練乳をトッピングした「桃ミルク」800円で、今季新商品の「きな粉ミルク」700円は赤穂産の塩を隠し味に使っている。
将来は小学教諭を志望する平福さん。「子どもたちに多様な生き方や挑戦する大切さを教えられる先生になりたい。まずは身をもって実践しています」と、きょうも懸命に削り器のハンドルを回す。
9月18日(月・祝)まで休まず午前10時〜午後6時半営業(ラストオーダー6時)。上仮屋北19の11(たかのは公園の南西角向かい)。駐車スペースは店舗横と周辺に計5台分あり。今季は高校生以下は全品2割引、その他の年代は2回来店すれば3回目は会計から700円割引のキャンペーン実施中。TEL070・2327・1581。
(かつて曾祖父母が暮らした空き家を活用して夏休み限定のかき氷専門店をオープンした平福昂生さん(左)と溝上滉大さん)
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