赤穂民報
西国街道・有年峠「地域の歴史名所へ」住民ら整備(9月16日)
西国街道(旧山陽道)の難所として「西の箱根」とも呼ばれた西有年の「有年峠」を地域の歴史名所として活用しようと、地元自治会がボランティアで道の整備を行った。
歩行の支障となる倒木や石を撤去。今年度中にもルート図看板や道標を設置する計画で、来年には同峠を歩くウオーキングイベントの開催を目指す。
有年峠は西有年と上郡町梨ヶ原の区間約3キロの間にある。「本能寺の変」を知った羽柴秀吉の「中国大返し」や江戸時代の参勤交代も通ったとされ、交通の幹線を国道2号に譲った以降は往来が激減。近年は東西の峠の入り口に動物の移動を制限するゲートが設けられ、里山整備のときくらいしか人が立ち入らなくなっていた。
整備作業は今月3日にあり、「有年地区全体で取り組もう」との呼びかけで有年地区の全7自治会から計21人が参加。道をふさぐ倒木をチェーンソーで切断して取り除き、路面に転がる大きな石を道端に寄せるなどして、ルートの安全を確保した。
赤穂市文化財保護連絡員の話では、西国街道のほとんどの区間がアスファルトやコンクリートで舗装された中、有年峠の一帯はかつての面影や風情を残す数少ない場所だという。JR有年駅を出発して有年峠を通り三石駅まで歩く約14キロの道中には有年宿跡や「児島高徳義挙の碑」など史跡も数多く点在しており、今後は梨ヶ原地区の住民とも連携してウオーキングイベントの開催へ向けて取り組むという。
(西国街道「有年峠」で行われた倒木除去作業)
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