赤穂民報

「坂越かき」赤穂市漁協が地域団体商標登録(11月11日)

 赤穂市特産の「坂越かき」が特許庁の「地域団体商標」に登録された。兵庫県下の牡蠣産地では初めてで、商標を取得した赤穂市漁業協同組合は「海外戦略も見据え、ブランド力を高めていきたい」(大河優組合長)と展望する。

 坂越かきは、「名水百選」にも選ばれている千種川と天然記念物の生島から注ぐ栄養豊富な水が育んだ1年牡蠣。加熱しても縮みにくい大きくふっくらした身と風味豊かな味わいが特長で、国内屈指の人気産地となっている。一方で生産者ごとに「坂越牡蠣」「坂越ガキ」「坂越のかき」などさまざまな品名で販売しており、ブランドとしての名称が確立できていない課題があった。

 同漁協は2020年度から地域団体商標登録に向けた準備を開始。話し合いや勉強会に取り組んできた。各生産者の理解を得て「昔から使用してきた名称」として「坂越かき」に統一することで合意。市の支援を受けて21年3月に特許庁へ出願し、審査をクリアして今年9月26日付けで登録された。

 地域団体商標制度は、地域名と商品(サービス)の名称を組み合わせた地域ブランドを保護することで地域経済の活性化を目的とした制度で2006年度に導入。登録されれば商品パッケージなどに商標マークを表示でき、模倣品対策や他産地との差別化などのメリットが期待される。同庁などによると、今年10月末時点で758件の登録があり、「坂越かき」は兵庫県内では46件目。牡蠣ブランドとしては「広島かき」「九十九島かき」(長崎県)などに続いて6件目で、広島より東の産地では唯一となる。

 今後はペナントやポスターで「坂越かき」の商標を周知するほか、SNSも活用してPRを展開してブランド力向上を図るとし、農林水産省が所管する「地理的表示(GI)」の登録も視野に入れる。

(「坂越かき」の地域団体商標登録を牟礼正稔市長に報告する大河優組合長(中)と平田一典参事(左))

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