赤穂民報

吸引機能を一時喪失 点検で人為ミス 赤穂市民病院(12月16日)

 赤穂市民病院(高原秀典院長)で今年3月、医療ガス設備点検時の人為的ミスにより、喀痰や血液などを吸引する機能を病院全体で一時喪失するインシデントが発生していたことがわかった。

 担当職員は「患者の命にもかかわる問題」と指摘しているが、病院は「(患者への治療や処置に)影響は生じていない。医療安全上の公表基準には該当していない」として公表していない。

 病院が開示した文書によると、今年3月25日午後2時ごろ、毎週土曜日に実施している医療ガス(吸引ポンプ)点検で、建物設備管理業務を委託されている日本管財の設備員が、マニュアルとは異なる誤った手順で点検を行い、さらにスイッチを正しい状態に戻すことを忘れた。その結果、医療ガスの吸引圧力が正常範囲よりも低下し、2時7分に中央監視室や各階の警報が発動。2時23分に復旧するまでの16分間は吸引設備が使用できない状態に陥ったという。

 インシデントから約1か月後の4月27日に同社が病院に提出した顛末書によれば、本来は2人で行うべき点検作業を1人で実施していたほか、警報内容について中央監視室に問い合わせてきた病院の警備員に対し、正確な回答をしなかったとされる。病院職員が報告を受けたのは発生から2日後の3月27日だったという。

 同社は再発防止策として、▽点検マニュアルを全員に周知し、技術指導を配置者全員に実施▽点検に携わる2名を点検作業に熟練した設備従事者とし、名簿を提出▽点検帳票とは別に新たに手順確認書を作成▽設備熟練者による副責任者を3名体制とし、副責任者を常駐させる▽異常発生後、速やかに報告を行うスキームを構築―などとし、問題を起こした設備員を4月末までに勤務から外した。

 顛末書で同社は「再発防止策を必ず実行し、二度とこのような事態を起こさぬよう信頼回復に向け取り組んでいく」などと弁明。高原院長は赤穂民報の取材質問に「特にコメントはありません」と回答した。

(吸引機能の一時喪失があった赤穂市民病院。「医療安全上の公表基準には該当していない」として公表していない)

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer