赤穂民報

鷏和の「国境石」破損 市教委「原因は不明」(1月27日)

 明治維新以前の播磨国と備前国の境界を示す鷏和の「国境石」が破損し、赤穂市教育委員会が対応を検討している。

 破損した国境石は「恋ヶ浜」と呼ばれる海岸の近くにあり、高さ約1・9メートル、1辺約30センチの四角柱。材質は花崗岩とみられ、一方の側面に「従是東播磨國」、反対側に「従是西備前國」の文字が刻まれている。市内に現存する国境石としては、この他に赤穂沖に浮かぶ取揚島に建つものしかなく、市教委は標柱を建てて顕彰していた。

 市教委によると、昨年11月20日、市民から「国境石が割れている」との通報があり、現地を確認したところ、石柱が3つに割れていた。破損した時期や原因は「不明」だといい、偶発的に倒れて割れたのか、人為的に壊されたのか、わかっていない。

 石柱があった土地は財務省の所有。その周囲は民有地で、昨夏までに一帯すべての樹木が伐採され、国境石がポツンと建つ状態となっていた。

 市教委は「指定文化財ではないが大切な地域の歴史文化遺産であり、破損したことは残念。市としては保全したいと考えており、財務省と協議を進めている」(文化財課)と話している。

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