赤穂民報
市民病院が経営強化案「2039年度の黒字化を目標」(1月31日)
赤穂市は、2024年度から27年度を期間とする「赤穂市民病院公立病院経営強化プラン」の計画案を公表。播磨姫路圏域の基幹病院である県立はりま姫路総合医療センターを中心に役割分担と連携強化を図り、目指す医療のあり方を「自院完結型」から「地域完結型」へとシフトする方針を示した。
計画案では、同病院が果たすべき役割・機能を「本プランの計画期間である27年度までの間は(中略)西播磨地域、赤穂準圏域における中核病院としての役割を継続していく」「病床数や診療科などの医療機能についても、現時点においては、現行のとおり維持する」としながらも、人口減少を踏まえ「適正な病床数や病床機能の転換について検討を継続して行う必要がある」と言及。高度先進医療など十分な医療資源を必要とする患者を基幹病院に紹介し、基幹病院での高度急性期医療を終えた患者を受け入れる「支援病院」としての役割を果たすとしている。
また、▽基幹病院と連携した医師養成の体制づくり▽働き方改革に伴う医師の負担軽減対策として土日の救急医療体制の完全輪番制導入検討▽新興感染症の感染拡大に備える事業継続計画(BCP)の策定ーなども盛り込んだ。
収支計画によると、経常収支の赤字額は23年度の4億6700万円から年々増加し、27年度には10億円を超えるまでふくらむ見込み。「2038年度に本館建物の減価償却が終了するため、39年度に経常収支の黒字化を目指し、効率的な運営を行っていく」としている。有識者会議「経営検討委員会」が設定した経営改善目標値については「27年度までの総額を達成する見込みではあるものの、24年度以降の単年度においては、いずれも目標額を下回る」と予測。「(目標を)2年連続で達成できない場合は経営形態の移行を検討する」との方針を改めて記載し、移行する経営形態の候補に「地方独立行政法人」と「指定管理者」を挙げた。
「民間譲渡」を候補に含めない理由について同病院は赤穂民報の取材に、「民間譲渡を選択肢から除外したわけではないが、経営検討委員会の『市民病院は公立病院として存続することが望ましい』との提言を尊重した」(総務課経営企画担当)と説明した。
公立病院経営強化プランは「持続可能な地域医療提供体制を確保」を目的に総務省が全国の公立病院に今年度中の策定を求めているもの。同病院は計画案への意見を募集するパブリックコメントを2月26日まで受け付ける。計画案は同病院ホームページのほか同病院と各地区公民館で閲覧できる。
(赤穂市民病院「経営強化プラン」案の収支計画で示された2027年度(令和9)までの患者数などの見通し)
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