赤穂民報
下水道使用料 2009年度以来の値上げへ改定率協議(2月24日)
赤穂市上下水道事業在り方検討委員会(委員長=瓦田沙季・兵庫県立大学大学院教授)は、2009年度以来となる下水道使用料の値上げに向けて具体的な協議に入った。
これまでの会合で従量使用料について▽使用水量1〜20立方メートルを無料としている基本水量の廃止▽使用水量が多い利用者の負担を考慮した料金体系―とする方針を確認。今後は事務局が提示した複数の見直しパターンを参考に改定率を検討する。
市の試算では24年度から28年度の5年間で必要な下水道経費は52億3400万円。現行の料金体系のままだと使用料収入は36億8600万円にとどまり、25年度末に現金残高が枯渇する。仮に経費回収率(経費を下水道使用料収入で回収する割合)を「85%」とした場合、資金不足を回避するには全体で1・21%の値上げが必要だという。
19日にあった第5回検討委では、▽基本使用料(現行1760円※2か月分)▽使用水量1〜20立方メートルの従量使用料(現行は無料)▽20立方メートルを超える従量使用料について各3通りの値上げ案と、それらを組み合わせた料金シミュレーションが事務局から示された。
それによると、値上げによる増収額(5年間の総額)は、最も値上げ幅が小さいパターン(表の案A(1)イの組み合わせ。改定率12・9%)で4億7500万円で、28年度末の現金残高は900万円とわずかながらプラス。最も値上げ幅が大きいパターン(表の案C(3)ハの組み合わせ。改定率28・4%)では10億4800万円で、28年度末の現金残高は5億8000万円となる。
標準的な一般家庭(2か月で40立方メートル使用)の下水道使用料(現行4460円)に当てはめた場合、最も値上げ幅が小さいパターンで5270円(改定率18・2%)で、最も値上げ幅が大きいパターンだと6235円(39・8%)となる。
20立方メートルを超える従量使用料の値上げ案は「使用水量の少ない方と多い方とのバランスに留意した」として、使用料が多くなるにつれて値上げ幅を抑える考え方を採用。基本水量の廃止もあり、相対的に小口利用者に厳しい改定案となっている。検討委でも「使用量が少ない人の負担を緩和すべきでは」との意見が出た。
次回以降の検討委で過去の改定経過や他市町の料金体系などを踏まえながら見直しパターンを絞り込み、改定に向けた答申案をまとめる。次回の会合は4月以降を予定しており、当初目指した今年度中の答申は見送る。事務局は「市民生活、商業活動に影響の大きいものなので、拙速にならないよう慎重に進めたい」と話している。
また、下水道使用料改定案の答申後も検討委を常設することにしており、「水道事業も今後は赤字経営が続くと予測されている。サービス提供に要した経費は料金で回収するという原則からも、引き続き検討する必要はある」(瓦田委員長)と上水道の使用料についても値上げを検討する見通しだ。
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