赤穂民報
関福大リレーコラム・想像する力に支えられるということ(3月30日)
今、教育の現場では「予想不可能な未来を切り拓く力」の育成を目指し、非認知能力の学びが大事にされています。
非認知能力とは、工夫する力、発想の豊かさ、あきらめない力、コミュニケーション力、レジリエンス(立ち直り力)、感情コントロール力などとされています。そのような内面的な力の大事さを考える時、想像できるという事が重要だと感じます。
子ども達は「ごっこ遊び」が大好きです。ある園で自分たちが製作した小さな動物を使って「動物達の魔法の学校ごっこ」が展開されました。動物たちは魔法の学校へ通う設定。子ども達の中で様々な暗黙の了解が有り、学校へは電車で通う、ミニ積み木で作られた線路があり、停車駅も設定し楽しんでいる中“ある修行を積んだ動物たちは魔法の絨毯に乗って学校へ行ける”ということになっていました。
A児が魔法の絨毯に乗せようとすると…他の子ども達が「Aちゃんは、まだ修行足りないよ!」と言う。A児は納得して電車に乗る。誰が決めて、どう共有し合ったのでしょうか…しかし、押しつけるでもなく我慢するでもなく、子ども達が「動物たちの魔法の学校」へイメージをひろげ、目には見えない思いを共有し、ごっこ遊びに熱中していました。私たち保育者も立ち入れない程の子ども達共有の想像の世界です。
このような遊びの中の想像の世界が育ちゆく子ども達を支える役割は大きいと感じます。成長する過程で子ども達は、この動物ごっこの事は忘れるかもしれません。しかし!動物ごっこでひろがった心の中の想像を広げる幅は子ども達の中に有り続け…育まれた想像の幅の中で様々な事を想像し、楽しみながら歩んだり、苦境の時も好転をイメージしたりする支えとなると思います。
最後に、このコラムは最終となり寂しい思いがありますが…赤穂市民の皆様とこれからも繋がらせていただきたく何卒宜しくお願いいたします。(教育学部児童教育学科准教授・丸山眞理子)
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