赤穂民報

下水道使用料 平均18・4%の値上げ答申へ 検討委が大筋合意(6月1日)

 2009年度以来となる下水道使用料の値上げを協議している赤穂市上下水道事業在り方検討委員会は5月28日、基本使用料を13・6%アップした上で、1立方メートル当たり従量使用料を使用水量区分に応じておよそ1〜3割値上げする使用料改定案を答申に盛り込む方針を大筋で合意した。

 合意した改定案では、基本使用料を現行の1760円から2000円に増額。2か月20立方メートルまで基本使用料に含んでいた基本水量制を廃止し、1立方メートル当たり15円の従量使用料を賦課する。使用水量21立方メートル以上の従量使用料は現行の1立方メートル当たり135〜245円から155〜270円にアップ。また、現行は同一区分としている21〜60立方メートルの使用水量帯を2つに分割し、従量使用料に差をつける。

 この改定案に具体的な使用水量を当てはめると、例えば2か月で40立方メートルの世帯の下水道料は現行の4460円から940円高い5400円(改定率21・1%)となる。20立方メートルだと1760円から2300円(30・7%)、100立方メートルだと1万3760円から1万6200円(17・7%)となる。平均改定率は18・4%。

 また、改定案が実行された場合、市の試算では下水道事業の5年後の現金残高は2億1100万円となり、資金不足を回避できる見込み。一方、これまでの会合で現状の70%程度から85%への改善を目指すとしていた経費回収率は83・4%にとどまる。

 この日の委員会では、101〜600立方メートルの使用水量帯を分割する案も話し合われたが、41立方メートル以上の上げ幅を一律同額にしようとする今回の改定方針にそぐわないなどの理由で「段階的に見直したほうがよい」と次回改定時へ議論を先送った。瓦田沙季委員長(兵庫県立大学大学院教授)から▽生活弱者の料金減免に必要な費用の一般会計からの補助▽料金改定について市民の理解を得るための説明責任―を市当局に求める旨を答申に加える提案があり、いずれも了承された。

 7月に予定している次回会合で答申内容を確認した上で、8月にも市民の意見を求めるパブリックコメントを実施する見通し。記事と表の水道料金はいずれも税抜き。

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