赤穂民報

ハチ捕り名人、活躍の季節(5月2日)

 「ミツバチの捕獲なら任せて」と話すのは鷆和の元会社員、西村武夫さん(71)。実際に民家床下の巣を撤去するというので、同行取材した。
 訪れたのは福浦の木造民家。人が住んでおらず、5年ほど前にも同じ床下にミツバチが営巣。そのときは所有者が殺虫剤で駆除したという。
 西村さんは作業着に防護帽とビニール手袋の軽装で登場。畳と床板を外すと、水平の柱から高さ50センチぐらいの逆円すい型の巣がぶら下がっているのが見えた。巣の主はニホンミツバチで「10万匹級の特大サイズ」だという。
 捕獲作業は巣の表面に群がるハチを掃除機で吸い取ることから始まった。吸い込んだハチは掃除機に取り付けられた木箱に納まる仕掛け。西村さんが市販の掃除機を改造したもので、携帯型掃除機もあるという。
 あらかたハチがいなくなると、巣の解体に移った。板状の巣が全部で7、8枚はあるだろうか。1枚の大きさは長さ50〜60センチほどの楕円形。いずれも無数の六角形が整然と並んでいる。
 なるべく巣を壊さないように慎重に取り外し、この日は約1時間で作業を終えた。「5万匹ぐらい捕まえたかな。同じぐらいの数の働きバチがそのうち外出先から戻ってくるはず」と、日を改めて3回ほど捕獲作業を繰り返し、完全に回収する。
 山口県の農家に生まれた西村さん。実家に養蜂箱があり、ハチの取り扱いには自然と慣れた。転勤で赤穂へ移り住んでからも知人などの依頼で巣を撤去。集めたミツバチは自宅で飼育するか、人里離れた野山で放してやる。
 「ハチは野菜や果物の受粉を助ける。怖がる人は多いが、習性を正しく知れば危険は少ない」と西村さん。「農薬に弱いミツバチが生息できるのは環境が清浄である証」といい、「赤穂の特産品にできないか」と蜂蜜を練り込んだ甘露飴の商品開発にも取り組む。
 ミツバチはこれから7月にかけてが「巣分かれ」の時期。新たな巣が完成するまでの間、民家の軒下などで集団化する習性があるといい、西村さんは「むやみに殺そうとせず、まずは連絡してほしい」と話している。捕獲、撤去費用は無料。Tel080・6129・1645。

(“ハチ捕り名人”の西村武夫さんの手によって民家床下から取り除かれるミツバチの巣)

カテゴリ・検索
トップページ/社会/政治/文化・歴史/スポーツ/イベント/子供/ボランティア/街ネタ/事件事故/商業・経済/お知らせ

読者の声
社説
コラム「陣太鼓」
絵本の世界で旅しよう
かしこい子育て
ロバの耳〜言わずにはおられない
赤穂民報川柳
私のこだわり

取材依頼・情報提供
会社概要
個人情報保護方針

赤穂民報社
analyzer