赤穂民報

【社説】なぜ市民向かぬ赤穂市政(9月19日)

 「景気が悪化している現状を踏まえると、今は上げるべきではない」として、昨年12月に一旦見送られた下水道使用料値上げ条例案が9月議会に提案されている。市は値上げに踏み切ろうとする理由として、(1)景気が持ち直し傾向にある(2)もともと、1立方メートル使用料を150円に引き上げる計画で進めてきた(3)値上げは審議会でも「適当」と答申された(4)今年度中に値上げしなければ国からペナルティがある-と説明するが、その根拠は正当だろうか。
 (1)は、7月と8月に政府が出した「月例経済報告」を引用したものとみられるが、少なくとも赤穂の現状を表していないことは市民が肌で感じている。それに政府も9月報告では「失業率が過去最高水準」との文言を付け加えた。
 (2)は2年前に策定された計画で、(3)の審議会が実質的な議論を行ったのは昨年9月だった。両方とも「リーマン・ショック」以前にまとめられたものだ。前提となる社会情勢に「100年に一度」と言われる激変があったのだから、当時の計画や答申をそのまま用いるのは「時代錯誤」だ。
 (4)については、今年度中に150円まで値上げすることを国が本当に求めているのか疑問がある。市はその点を確認しておらず、「国からの通知」をかさに必要以上の負担を市民に強いようとしているのではないかとの疑念を捨て切れない。
 「国との関係は切っても切り離すことはできない。市民にお願いするしかない」と語る担当部長の言葉は今の赤穂市政のスタンスを象徴しているように感じる。市役所の本来の役割からすれば、「市民との関係は切っても切り離すことはできない。国にお願いするしかない」との姿勢であるべきだ。
 改正条例案は29日本会議で表決を行う。議員諸氏は市民と国のどちらを向くのだろうか。

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