赤穂民報

【社説】姑息な屁理屈やめて本質議論せよ(3月20日)

 ごみ処理有料化の計画撤回を求めた請願は常任委員会で不採択となった。地方自治のルールに則って出されたものであるから、一つの結果として認めなければならない。
 しかし、不採択とした理由の一部に、「議案上程されていないので採択できない」という旨の発言があったことは問題だ。請願は議案に直接関係のない内容でもよい。
 議会の上程議案は、開会1週間前の議会運営委員会(議運)で決定される。請願がその会期で取り扱われるようにするには「資料作成などの事務手続き上、議運3日前までの提出」(議会事務局)が必要だ。
 つまり、「議案に上程されていない請願は採択できない」というのなら、請願は実質不可能になる。あるいは、いつ議案上程されてもよいように議会の度に請願提出しなければならない。
 問題の発言は、市民に与えられた請願権を著しく制限する極めて不適切なものだ。そもそも、堂々と「有料化に賛成」と持論を述べるならまだしも、市当局と市民の両方によい顔を見せようとする姑息でひきょうな思惑が見て取れる。
 ごみ処理有料化は「見送り」となったものの、ごみ袋単価など具体的実施方法まで協議が進んでいる案件で、その是非を検討する材料は十分に揃っている。委員会では5441人の署名付きで提出された請願を踏まえつつ、賛否双方の意見を戦わせて採決すべきだった。
 今回のような底の浅い議会活動を続けているうちは、いくら議会活性化をうたったところで市民の拍手は得られない。請願を正式採決する26日の本会議では再度、討論の機会があるらしい。八方美人でも子どもだましでもない、本音の議論が展開されることを、もう一度だけ期待してみる。

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