赤穂民報
【社説】“安心”こそサービス向上の基本(5月15日)
「公の施設の管理に民間の豊富なノウハウを活かして施設の特性を発揮し、市民サービス向上を図る」
こうした目的で赤穂市が実施している指定管理者制度。昨年度からは野外活動センター、御崎レストハウスなど4施設について公募決定した民間業者に管理運営を任せているが、市民総合体育館プールの安全監視に限って言えば、その効果はまったく表れていない。
利用者にも話を聞いたが、「監視員ではなく、チケットを受け取る係員と思っていた」(40代男性)、「溺れたときに本当に助けてもらえるのか心配」(30代男性)など疑問を口にする人が多かった。「病気を親身に心配してくれた。やさしさがあり信頼できる」(70代男性)と評価する意見もあったが、肝心の監視業務がおろそかでは本末転倒と言うしかない。
平成19年4月に淡路市の市営プールで小1男児が溺れて亡くなった事故では先月、当時の施設長、アルバイト監視員が「不十分な監視体制のままプールを利用させ、十分な監視を怠った」として略式起訴された。社会は、安心して泳げる環境、不測の事態に適切に対応できる体制を整えることを「努力項目」ではなく「責務」として求めている。
なお、利用者のその他の意見として、「水質が汚く感じる。相生はこまめに浮遊物をすくってくれる」「ロッカーに清潔感がなく、しかも100円取られる(相生は使用後返却式で日生は利用料に含む)」「昼と夕方に休憩時間があり、利用しづらい(相生、日生は通し営業)」などの不満も聞かれた。
21年度のプール延べ利用者人数は相生約9万8000人、日生約7万人に対し、赤穂は約5万8000人。わざわざ車で近隣プールへ出掛けている赤穂市民もある。
市と指定管理者には、せめて近隣に劣らないレベルまでサービスを向上してほしい。そのためには利用者の声なき声に傾聴するとともに、自分自身も客となってプールを利用してみるべきだろう。
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