赤穂民報
【社説】方針は実践してこそ価値がある(7月3日)
目坂の市道であった落石。現場では2年前にも大雨で山の斜面が崩落し、道路に約70センチ角の岩が転がり落ちた。人や車に重大な被害を引き起こしかねない危険性がなぜ解消されていないのか。
市当局に確認したところ、現場では平成10年に地権者の了解を得て山の法面にコンクリートを吹き付ける擁壁工事を実施。2年前と今回崩れたのは処置を施していなかった部分だという。
管理する土木課によると、2年前はバリケードとしてコンクリートブロックを積み上げたが、その後に抜本的な改善策は取っていなかった。近隣住民は「大雨の度に崩れてきている感じがする。効果的な対策をとってほしい」と話している。一日も早く不安を取り除くことが理想だが、それが難しいとしてもせめて住民への説明は必要だ。
また、以前から災害関連の取材の度に感じていたことではあるが、「危機管理」を職務とする安全安心担当があまりにも現場任せに過ぎる。今回の取材でも従来同様、「担当課に聞いて」とのことだった。複数の部署にわたることが多い危機管理情報を一元的に取りまとめる“コントロール・センター”であるべき部署が単発事案ですら対応できない状況を見ると、大規模災害時に事態をさばけるのか正直不安だ。単に担当課を紹介するだけなら電話交換手で十分で、部署の存在意義を問われかねない。
豆田正明市長は今年度の施政方針で「安全・安心対策の充実」を3つある重点施策の一つに置いている。方針は実践してこそ価値を持つ。上から石が落ちてくるような街のままでは人口増は遠ざかる一方だ。
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