赤穂民報
コラム【陣太鼓】「教育的配慮」で「取材拒否」(10月30日)
▽今月18日から5日間実施された中学生の職業体験活動「トライやる・ウィーク」で、兵庫県内のある学校の生徒が、体験先の店舗でタバコとライターを万引きしたらしい
▽被害届は出されなかったが、事件を知った新聞社が学校を取材した。校長は万引きがあったことは認めたものの、「これまで非行歴、喫煙歴のない生徒。生徒の不利益になることは言えない。守秘義務がある」として、それ以上の情報開示をかたくなに拒んだ
▽“取材拒否”の一番大きな理由は、「事件が紙面に掲載されることは、立ち直りの筋道ができている生徒の更生の妨げにつながる」。商品を盗まれた店の経営者は、「生徒を追い詰めるのではなく、立ち直ることのできる指導をしてほしい」と学校に伝えたという
▽一連の対応をどうみるか。感じ方は人によってさまざまだろう。ともかく、問題を起こした生徒は、自分が社会の一員であることを痛切に感じるべきだ。そうでなければ、「トライやる」の価値がない。
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