赤穂民報
【社説】医師不足でかすむ院是の“思いやり”(4月19日)
赤穂市民病院西部診療所の存廃問題はどう判断すべきだろうか。
病院は医師不足と周辺に民間病院が開業したことを主な理由に挙げているが、その実状を探ってみた。
ある病院関係者は、「病院と医師の力関係が以前とは変わってしまったことが要因」と漏らす。
全国的な医師不足が問題になっている中、赤穂市民病院も例外ではなく、先月末で一挙に医師15人が退職。「院長、副院長らが全国を駆けずり回って何とか医師の人数を確保した」(矢野善章事務局長)のが実状だ。
医師の多くは、「中核病院だからこそできる高度医療に期待して着任している」といい、「地域診療所に行ってくれ、とはなかなか言いづらい」(病院関係者)状況。また、「無医村ではないのに診療所を開設する必要性があるのか」といった声や、「同じ診察するなら、できるだけ多くの患者を診たい」という現場ドクターの要望も根強いという。
こうした考えを持った医師に地域診療所への勤務を命じた場合、「それなら他の病院に行きます、と去られてしまう恐れがある」といい、邉見公雄院長は「病院全体を維持するためには(診療所閉鎖は)やむを得ない」と苦悶している。
同病院はベテラン産科医が1人退職したことにより、市外在住者の出産受け入れを今月から休止。
医師不足の暗雲に院是の「恕」(思いやり)の文字が霞んでいる。
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