赤穂民報

赤穂で復活の電気自動車がゴールへ(9月6日)

 被災地支援を訴えながら電気自動車(EV車)で大阪−九州間の往復2400キロ走破に挑戦中の男性が5日、今年5月に通過した赤穂を復路に再訪。車両修理で世話になった整備工場に立ち寄り、感謝を伝えた。
 福岡県大牟田市のフリーラーター、中林あきおさん(37)。徒歩で日本一周に成功した経験の持ち主で、大阪府守口市の中小企業4社が共同開発したEV車をたまたまニュースで知り、挑戦を思い立った。当初は日本一周を計画したが東日本大震災が発生したため、大阪と実家を往復する西日本ルートに変更した。
 愛車の名前は「Meguru」(メグル)。1回8時間の充電で30キロの距離を走行できる。ルート途中の民家や商店で充電を頼み、1回につき100円を中林さんが義援金に寄付。宿泊先などを無料で提供してもらった場合はそれに見合った金額を募金する。これまでの送金額は18万円を超えた。
 大阪を出発して8日後の5月17日、それまで順調だったメグル号が高取峠の登りで突然白煙を上げてエンジンストップ。通りがかりの車にけん引をお願いし、平地は重量約200キロの車両をロープで引っ張って何とか市街地へたどり着いた。
 設計も仕組みも通常の車とは異なるため、修理先を見つけるのは一苦労。ようやく引き受けてくれたのが、加里屋の籠谷健さん(52)=赤穂電装社長=だった。籠谷さんにとっては車の電気配線はお手の物。オーバーヒートで溶融したコードを10倍の太さに交換し、「二度と同じトラブルを発生しないように」とその他の配線すべても約6時間かけて付け替えた。
 息を吹き返したメグル号は、その後は一度も配線トラブルを起こさず、7月5日に大牟田に到着。折り返してからも順調な走りを続け、今週末に守口市へゴールできる予定だ。
 「元気な様子でホッとした。最後まで無事に走り切り、日本の中小企業もまだまだやれるということをPRしてほしい」と籠谷さん。中林さんは「素早い動きで修理してくれる姿は本当に格好良かった。おかげでここまで走ってこれた。絶対に完走したい」とゴールへの意欲を新たにしていた。

(電気自動車「Meguru」でチャリティ走行挑戦中の中林あきおさん(右)と籠谷健さん)

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