赤穂民報

少女の願い(2月4日)

 戦後の苦しい生活のなかで、一人の少女の願いをかなえるために、母親をはじめ多くの人が力をかし、その願いを実現した実話です。
 この絵本のどこにも、戦争の恐ろしさも、悲惨さも語られていません。
 羊を飼っているお百姓さんも、糸をつむぐおばさんも、仕立て屋のおじさんも、ただただ黙々とくらす姿が綴られているだけなのです。まさに、くらしそのものです。それらの人々の力によって少女の願いは実現します。
 質素で飾り気のない内容であるのに、なぜか心を打たれます。その「心を打つもの」が何なのか、私にはわかりません。
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『アンナの赤いオーバー』○文/ハリエット・ジィーフェルト○絵/アニタ・ローベル○訳/松川真弓○評論社
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 ▽くぼっち先生=元中学校長の久保良道さん。平成15年7月に有年原の自宅に国内外の絵本を集めた私設図書館「くぼっち文庫」を開設。「絵本は人生を豊かにしてくれる」と自費で集めた約2000冊を無料で貸し出している。第2・第4土曜日に開館。TEL49・2089。

(『アンナの赤いオーバー』 ○文/ハリエット・ジィーフェルト ○絵/アニタ・ローベル ○訳/松川真弓 ○評論社)

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