赤穂民報
愛する赤穂に花の名所を(3月28日)
上仮屋の赤穂城跡公園の一角にある庭園に市民グループがサザンカ、キンモクセイなどの若木計140本を植樹。元々植わっていたマツや庭石はそのまま活かし、一年を通して美観を楽しめるように開花時期の異なる12種類を植え付けた。「四季苑」と名付けた庭は4月半ばに市花・ツツジから咲き始める見込みで、メンバーたちは“花のリレー”を楽しみにしている。
庭園を整備したのは、赤穂を“終の棲家”に選んで移住あるいは帰郷した人たちの親睦サークル「穂愛留(ほめーる)」(北原敏夫代表、21人)。平成19年に結成し、会の名称は“赤穂を愛し、留まる”との思いに由来する。
3年前に会員の間で「赤穂に花の名所を作りたい」とアイデアが出たのをきっかけに植樹場所を探していたところ、昨年5月に市教委から加里屋川沿いの遊歩道に面した約1050平方メートルを候補地として提示された。「願ってもない場所」と喜んだメンバーたちは造園専門家に助言を求めてレイアウトを計画。国史跡の指定範囲であることに配慮して樹種はツバキ、サルスベリなど在来種に限り、城壁を隠すことのないように配置した。
さらに、赤穂浅野家・初代藩主の長直が築城を始めた慶安元年(1648)に地鎮や武門繁栄などを願って城内に植えられたという故事にちなみ、ヌルデ(別名・勝軍木)とエノキを1本ずつ植樹した。28日には協力者を招いて竣工セレモニーを行い、庭園名を刻んだ石柱をお披露目した。
庭園は引き続き市の管理地だが、植樹プロジェクトリーダーの立花三千男さん(75)=細野町=は「自分たちの思いが形になった庭なので愛着があります」と、ごみ拾いや草取りなどを自主的に行う予定。北原代表(77)=元禄橋町=は「木々が生長した数年後には美しい花が咲き誇るはず。四季折々の憩いの場になれば」と願っている。
(春夏秋冬の花木で「四季苑」を整備したサークル穂愛留のみなさん)
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