赤穂民報

福田眉仙展、赤穂でも作品公開(9月1日)

 相生出身で明治から昭和にかけてすぐれた作品を残した日本画家の足跡を振り返る「福田眉仙展−独自の画境を絵筆に託して−」(相生市など主催)が9月6日(木)から27日(木)まで同市旭の相生市民会館で開かれる。赤穂市内でも加里屋の花岳寺と御崎の桃井ミュージアムで眉仙作品を同時公開する。
 眉仙(本名・周太郎)は明治8年(1875)に現在の相生市矢野町瓜生で生まれた。明治20年代に上京し、久保田米僊、橋本雅邦に師事。岡倉天心が雅邦らと創設した日本画団体「日本美術院」に加わった。
 明治42年から3年間、清(中国)に渡り、南宋画を研究。天心が没した後は中央画壇を離れ、芦屋を拠点に日本各地を写生した。主な作品として神戸・湊川神社の天井画、京都大覚寺のふすま絵などが有名。晩年には全長450メートルもの「中国三十絵巻」を仕上げ、湯川秀樹の紹介で米コロンビア大学へ寄贈。世界にもその名を広めた。昭和38年(1963)に88歳で亡くなった。
 今展は同市の市制施行70周年と眉仙没50年を記念して開催。13歳のときに描いたハスの花のふすま絵から最晩年のスケッチまでを集めた。愛用した絵筆、落款などを合わせて約300点を公開。眉仙のふすま絵「絹の道(シルクロード)」がある矢野町・光専寺の「十畳の間」を会場に畳を敷いて再現する。
 展示品はほとんどすべてが個人蔵。同市教委生涯学習課の西角隆行課長は「人物画では穏やかな表情を描いたものが多く、作者の人柄が偲ばれる。この機会にぜひ鑑賞してもらえれば」と来場を呼び掛けている。
 4階中ホールと3階特別会議室で午前10時〜午後6時(初日のみ午前9時開館)。14日(金)は一部の作品を入れ替えるため、25日(火)は定休日で休館する。入場料300円(中学生以下無料)。問合せは市教委生涯学習課TEL23・7144。
 会期中の催し、赤穂市内での展示などは次のとおり。
 ▽同時公開=花岳寺(昭和17年に描いたふすま絵。9時〜15時、行事で拝観不可あり。拝観志納金が必要)桃井ミュージアム(屏風など数点。10時〜16時。無料。火曜休館)
 ▽講演会「眉仙の生涯と芸術」=講師は姫路市立美術館の山脇佐江子館長。9月9日(日)13時半、相生市民会館2階。定員100人。無料
 ▽見学会「生誕地を訪ねて」=9月17日(月・祝)13時〜16時。相生市役所集合。無料。当日10時から市民会館で先着50人を受付
 ▽図録=9月6日(木)から相生市民会館展示会場で販売。1部800円。

(後期展示される福田眉仙画「富士山」=相生市教委提供)

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