赤穂民報

収蔵の埴輪片を宮内庁が調査(3月28日)

 貴重な考古資料を多数収蔵する有年楢原の赤穂市立有年考古館に宮内庁の研究官が27日来館。「ニサンザイ古墳」(堺市北区)から出土したとされる埴輪片の記録調査を行った。
 ニサンザイ古墳は大山古墳(仁徳陵)など巨大古墳が集まる百舌鳥古墳群の東端にある前方後円墳。皇族が埋葬された可能性のある陵墓参考地として同庁が墳丘を管理している。2月には周濠から橋脚跡とみられる柱穴が見つかったことが発表され、話題になった。
 埴輪片は円筒埴輪の破片4点と形象埴輪の破片1点の計5点。形状などから約1500年前の古墳中期後半(5世紀後半)に作られたと推定でき、市教委の山中良平学芸員(25)によると、「古墳の築造年代を特定する上で大変重要な遺物」という。
 同考古館創設者の松岡秀夫氏(1904−85)が昭和27年に「東百舌鳥陵墓参考地」で採取したとの記録があるが、具体的な採取場所は不明。一昨年、考古館が遺族から市へ寄贈されたのに伴い、市の収蔵品になった。
 調査は同庁が今夏に発行する報告書の情報収集のために行われ、書陵部陵墓課陵墓調査室の横田真吾研究官(32)が寸法を測り、拓本を取った。円筒埴輪の直径は「30センチから35センチぐらい」と推測できた。表面についた刷毛の跡、「突帯」と呼ばれる装飾の間隔などがニサンザイ古墳で出土した別の埴輪と類似しており、同古墳の遺物に矛盾しないことがわかった。
 埴輪片は同考古館で常設展示中。横田研究官は「埴輪の破片としては比較的大きく、情報が得られやすい。これからも大切に保管してほしい」と話していた。

(宮内庁による記録調査が行われた有年考古館収蔵の埴輪片)

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